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あさま山荘1972〈上〉
1,993円
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オ○ムのことばかり考えたり書いたりしていたせいか、麻○の遺体が23区からはるばる
オレの住む市の斎場まで運ばれて焼かれたようだ。
何故わざわざと思ったが、都心のほうの斎場だとなかなか引き受けてくれるところが
ないことと、人口およびマスコミ密度が濃いだけに混乱するのを避けたのが国の狙いの
ようである。
我らが市はどこかで大事件とリンクする傾向がある。
3億円事件現場も近所だ。
死刑判決を受けた坂口弘も一時、府中刑務所に入っていたと著書に書いていた。
「サカグチヒロシ」という名前を聞いてすぐピンと来る人はどれくらいいるだろう。
オレと同年代でも過去の事件に興味ない人はまったくわからないかもしれない。
というか、オレらの年代だとわからないのが通常かもしれないけれど。
そのへんの例えをだしたくて、「サカグチヒロシとかさぁ……」とふったら、だいたい、
「誰それ??」
と返ってくる。
「プロレスラーだっけ?」と返ってきたこともある。
「サンデーモーニングの司会やってる人?」なんて返されたこともあった。
坂口弘はあさま山荘に立てこもった連合赤軍メンバーの5人のうちのひとりである。
ちなみに「あさま山荘」があるのは浅間山ではない。
あさま山荘があるのは別の山である。
では、どうして「あさま山荘」という名前がつけられているかというと、山荘の部屋の窓を
開けると、そこから視線の先に浅間山がのぞめるからである。
あの日、警察による放水と催涙弾の攻撃をうけた連合赤軍メンバーはたまらず山荘の奥の
部屋に逃げ、外の空気を吸おうとしてそこの部屋の窓を開けた。
そうしたら、遠くに壮大な浅間山が見え、とても美しく感じた。
その時はじめて、ここがどうして「あさま山荘」と呼ばれるのかという理由がわかったと、
著書の「あさま山荘1972」の中で綴っている。
戦後史の中でももっとも衝撃的だった事件のひとつの当事者が書く、総括から銃撃戦までの
記録。
「あさま山荘1972」は(上)(下)(続)と、3巻続きででていて、すべて読んでみた。
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あさま山荘1972〈下〉
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続 あさま山荘1972
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この連作、本当は上下2巻で完結のはずだった。
だが、(下)の原稿が出版社に届けられる途中紛失してしまったのだ。
※郵便局?の失態である。
坂口弘は獄中で郵送中に紛失してしまった枚数ぶんを2年かけて書き直す作業に追われた。
書き直されたぶんが(続)となって出版されたなんとも数奇な運命を辿った連続手記である。
当事者が書いているだけに歴史的にも貴重だ。
表紙の写真は3冊とも一貫してあさま山荘である。