行くぜ、群馬② 世界遺産・富岡製糸場 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

最初に前回の記事をちょっと復習。


先輩と会うことをメインとした今回の群馬旅。

当日1週間前の予定では

【ジャパンスネークセンター→先輩の知り合いの店(おススメ)でランチ→わた渓】

だったが、2日前の打ち合わせにて、「わたらせ渓谷鐡道」は中止変更となった。


理由としてまず一番目にトロッコ列車は予約が必要。だからその時点でアウト。

二番目に、予約が取れたとしても往復だとやはりかなりの時間も必要なのできびしい。

三番目に天気の問題。案の定雨天だった。


先輩と電話で振り替えはどこに行こうかと相談していたところで先輩の口から

「富岡製糸場はどう?」

という言葉が出た。


群馬ということでオレもそれは頭の片隅にあったのだが、桐生からだとやはり遠い。

オレが車出して運転するのならばともかく、先輩に出してもらって運転もしてもらうことを

考えると、オレの口からはやはり「富岡製糸場行ってみたいです」とは言えなかった。


その旨を含んだうえで、行ってみたいけど遠いから申し訳ないと伝えたら、

オレの意見抜きにして、先輩も先輩で行ってみたいと思っていたと言ってくれたので

わたらせ渓谷鐡道をやめ、高速に乗り富岡製糸場に行く計画へと変更した。


その途中に横川寄ってランチ食ったという流れ。

で、記事はメインの流れに戻る。




はるばる来たぜ、世界遺産。


『富岡製糸場』

群馬県富岡市富岡1-1




富1


テレビでよく見かける風景だ。

雨天だからと侮っていたが、思ったよりも客が多かった。


入場料は1000円。世界遺産になると来客も多く管理が大変だから値上がった様子。

古い情報だと500円だった。


入場口を入ると、個人ガイドの案内放送が流れていた。

ひとり200円で40分間、施設の人がガイドしてくれるらしい。

(ガイドさんが個人という意味。客側は数人ひとグループだからマンツーマンではない)


せっかくなので先輩と二人で申し込んでみた。



富2


時間になるとイヤホンを渡らせるのでそれをつけて回る。




富3

ガイドさんはゆっくりとした小声でしゃべっているが、イヤホンから鮮明に声が聞こえる。

そばにいる他の客から話しかけられたと時の受け答えまでもひろってしっかりとこちらの

鼓膜へと伝達してくる。


油断して、うっかりエロい独り言を言ったり、耳にこびりつくようなどっかの宗教の教祖の

テーマソングなんて口ずさんでしまったもんなら、すべてダダ漏れだから注意である。


まず目の前には東繭置所の壁が広がる。




富4

レンガの積み方はフランス式。

以前訪れた海上要塞・猿島のトンネルと同じだ。


それぞれの建物の前で解説を受けながら、施設内を歩いてゆく、


どことなく西部劇映画のセットのような空間が視界に広がる。

古い建物ばかりなのだけれども、ちょっと見る角度を変えると近未来ぽく見えるから

不思議だ。デザインにおいて時代を先取りしすぎたような感じもする。



風景


そしてオレらは糸でたぐり寄せられるように操糸場の中へ。



富5

規模がすごい。


当時の機会が奥まで続き、保存のため透明カバーがかけられている。



富6

圧巻の一言。


大人になってから来たからこそ、ここのすごさを受信出来るのだろう。

事実すごい施設なのだけれど、小学校の社会科見学とかで訪れてもきっとつまらないと

感じたと思う。

ヘタに幼い頃言って、ヘンなイメージを植え付けないでよかったかもしれない。

この施設は死ぬまでに見ておく価値がある。


天井にはリフトのようなものが静かにさび付いている。



富7

外国人に人気のある歌舞伎町のアミューズメント施設「ロボットレストラン」の客席上部にも

これに似ているリフトのようなものがあって、セクシーなおねえさんがそこに座って客席の

頭上をまわる演出がある。


一見下世話なカルチャーに見えるものほど、実は考えた人がいろんな歴史を学んで、それを

レジャーに取り入れている場合も少なくない。


この製糸場に限らないが、ロボットレストランのルーツの一部もこういう工場にあるのかもしれない。



(注・数行後にモゾモゾ画像が出るので、苦手な方はお気を付けください)




この後、ブリュナ館という建物などを回って、個人ガイドは終了。

そこからは自由行動だ。


二人で東置繭所の中に改めて入ってみる。


画像が多くなるので撮影は省略したが、展示コーナーや売店などいろんなものがある。

シルク販売から何かの実演まで。



わっ! 見本のフィギュアかと思ったら生きているカイコだった。よく見ると動いている。



富8

先輩いわく「モスラだ!モスラ!」

ちなみにその日の金曜ロードショーは「GODZILLA(ゴジラ)」だった。どうでもいいけど。


しかしなんだろうな。

普段、道を歩いていてふと道端に目をやった時、電柱のふもとあたりにこんなカイコの

群れが蠢いていたら、気持ち悪くて目を背けて走り出しそうなものだが、こういう場所でみると

なぜかとても神聖な絹の化身のような存在に感じられて、じっくりと見入ってしまう。


若い女の子の集団も足を止めてじっくり観察していたし、おばさんなんかは指先でチョンチョンと

ふれていた(笑)


先輩の友人で、こういったカイコを扱う仕事をしていた人がいたようだ。

糸(繭)をある程度出し切ったカイコは火の中に投げ入れられて処分されるという。


その際、投げ入れられたカイコがピーピー泣き叫ぶという。


カイコだけに、それこそまさに絹を裂くような悲鳴なのかどうかはわからないが、その断末魔の

悲鳴にはとても切なくなるとか。


売り上げを持ち帰ってくる時代は重宝されるが、何も持って帰らなくなったとたんにリストラされる

人間のサラリーマン社会の縮図をオレはそこに垣間見た。


搾取され尽くした人間が会社からリストラされるように、糸を出し尽くしたカイコも工場から

解雇される。 ←これが言いたかっただけ(爆)



屋内を一通り見たら、中庭のような場所に出た。


テレビでは繭所と操糸所の映像しか見ていないから、あまり広い印象を持っていなかった。

敷地の広さ、実は「東京ドーム4個ぶん」らしい。

ことぅーげ がここにいてそれを聞いたら「なんて比だ!」と言って驚いているに違いない。


奥には補修中の「西置繭所」が見える。



富9

ここでは製糸場としてだけではなく、トリックアート展の要素もあった。


レンガと扉に見えるのは、そういう柄のカバー。

最初全く気付かなかった(笑)


先輩も全く気付かず、最初にオレが気づいて

「あれ、カバーですよ」と言ったら、こいつ何言ってるんだろ?と思ったらしい。



それから社宅群などを見て回り、約2時間ほど滞在して富岡製糸場をあとにした。


近くの店でベンチに座って酒まんじゅうを食べ手から、車に乗り込んで再び桐生に舞い戻る。


来てよかった富岡製糸場…


これはやはり一度見ておくべき場所だ。




次回は群馬日帰り記事ラスト。


先輩のお知り合いの店でもあり、また連れてゆきたいともいわれた店へ。

ランチという予定はちょっと狂ったけど、それでも夕食で行けることになってよかった。


そのお店に関して、以前から情報だけはちょっと入っていたのでね(笑)