五輪よりディズマランド招致しないか? | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

どこかが歪んでいる人間はお嫌いでいらっしゃいますか?

でも自分が歪んでいるからこそ、本当は歪んでいるモノの正体を見極められたり、
あるいは他人が簡単に思いつかないことを生みだせたり出来るのも事実。

前置きはさておき、先日何かの情報番組のなかでオレの興味をかなりそそる
イベントというか施設が紹介されていた。
期間限定なうえに場所がイギリスなので行くことはできないが。

その場所の名は『ディズマランド』
キャッチは‘悪夢のテーマパーク’

参考動画を下に貼りつけておく。





イギリスの覆面アーティストが作りだした空間らしい。

遊園地というよりも、遊園地をテーマにした悪夢と陰鬱のアート展といった感じ。
なんともオレごのみ♡
オトナが行ったら憂欝になり、子供がいったらトラウマになるとか。

元ネタの場所は言うまでもなくあそこだ(笑)

でも、これはパクリではなく、あの場所を土台として表現された高尚な社会批判と風刺画
の世界だとオレは思う。

厳密に言えば遊園地ではないので、それらしい乗りモノなどはない。

ただ、ちょっとしたゲームとかはあるらしい。

油まみれの(おもちゃの)水上の鳥を釣るゲームとか、
難民の乗るボートをはじきとばしながら、ひたすら自分の船だけ進ませるゲームとか。

いたるところに人間と社会の汚い部分や、けがらわしい過去を皮肉った表現アトラクションが
ちりばめられている。これはすごい。


上につけた動画に今写っている場面のそのアトラクション的展示のひとつ。

かぼちゃの馬車が横転して、乗っていたシンデレラが息絶えている。
そして、その場面に群がりシャッターを切りまくるパパラッジ……

これはシンデレラをダイアナ妃に見立ててもいるアート。
なんともブラックな。

汚れのないメルヘンの世界と汚い現実を交差させることによって、その落差が人間社会と
消費主義のあさましさを浮き彫りにさせた作品。
アートだけど子供が見たら泣くな。親も見せたくないだろう(爆)


エロではなくて、こういったダークサイドな意味での『オトナの遊園地』みたいなモノって
もっと日本でもやったほうがいいと思う。

アートにはいろんなカタチがあっていいと思うのだ。

別に海外をそこまで見習う必要ないけど、日本に足りないのはそういった重いテーマや
暗いテーマを極力なくそうといった部分に見られる発想や思想の柔軟性の無さ。

暗いのはよくない。元気ないのはよくない。心をひとつにしないのはいけない。
そういった押しつけ。

人間はそれぞれ。明るいヤツもいれば暗いヤツもいるだろう。
元気あるヤツもいれば、静かなヤツもいるだろう。
みんな、それぞれ好き嫌いがあるし、思想だって違うんだ。
心なんて、ひとつになるわけないだろう!

でも、悲しいかな日本てどこかまだ戦時中なんだよね。
みんなと同じようにガマンしたり、喜んだりしないとはじきだされる。
明るいことがいいことだ。といったマインドコントロールが蔓延しているように思える。

だからね、こういうディズマランドみたいな企画が日本に来たら、きっとPTAの予備軍みたいな人たちが「よろしくない」とか言いだして開催を阻止しそうな気がする。

元ネタのディ○二ーラ○ド(浦安)も一回しか行ったことないけど、かなり楽しい印象だったから
ああいう明るくて賑やかな場所は場所で行くのが楽しいかもしれない。

でも、こういうディズマランドみたいな企画ももっと作ったり招致したらイイと思う。
発想力や表現の勉強にもなると思うし。

ディズマランドの惹かれるところは陰鬱で暗いんだけど、それなりに中身があって
発想が面白いところ。

言い換えると、暗くて陰鬱なテーマで人の視覚や聴覚を楽しませるというのはかなりの
技術を必要とするはず。ディズマランドは陰鬱の塊を見事にエンタメにも風刺にも変換して
しまったのだ。

「明るい」「元気」だけが、人間の楽しみだけじゃない。
暗さの中にもレジャーやエンタメの要素はあるのだ。

わかりやすく芸人で言えば、8.6秒バズーカーの明るいリズムネタはまったくオモロイと
思わないが、ヒロシの暗い自虐ネタはちょっとオモロイ。通じたかな。
あ、でも「とにかく明るい安村」は例外で面白いと思うけど。


競技場だの、エンブレムだの開催前から騒がしい五輪はもういいよ。
五輪そのもの白紙でいいんじゃない?

今はこれだけ騒いでいるのとに、開催されたらされたでメディアも世間も手のひら返したように
「感動をありがとう」とか言いだすんだろ、どうせ。

日本中に勇気を与えたとか、恩師の言葉が○○を支えたとかっていう類の報道はもういいですから。
オレは泣かないし感動もしないよ。

そんな騒ぎでみんな一緒に盛りあがろうとかいうイベント招く金があったら、ぜひとも
ディズマランドを東京に招致していただきい。
日本のカルチャーに新しい風を入れるためにも。

五輪会場には金もらっても見に行きたくないけど、ディズマランドが東京に来たら
5000円くらい払ってでも行きたいかもしれない。
いや、絶対に見に行く!

……

オレもそうとう歪んでいるなぁ~。

オレの心の底には既に小さなディズマランドが建設されているのかもしれない。


そして……

今の日本が既に陰鬱な空気によって包囲されたアジアの『ディズマランド』と化しているような
モンだから、別に招致する必要もないかもしれない。


でも、やっぱり……

ディズマランド東京に来い! 五輪の代わりに!!



陰鬱だけれど、臭いモノにふたをしない風刺とブラックユーモア、そして社会への警鐘。
これは気取らない立派なアートだとオレは真剣に思う。