年月が経つにつれて‘伝説の深夜番組’という冠が付くに近づいている番組がある。
かつてテレビ朝日で平日深夜に放送していた情報番組である。
サブカルやアングラ要素が人気を集めていて、オレも好きだった。
その番組とは『トゥナイト2』
繁華街の店やサブカル路線を基盤としたいわゆるお色気関連テーマが多く取り上げられたが
記憶の限りでは裸の映像などはほとんどなくて、そういった特殊な業界で働くスタッフや
女の子の密着などのドキュメント色が強く、当時はそれが面白かった。
軟派を装った硬派番組のようにもオレには映っていた。
現在はアナウンス局に在籍していないようだが、当時はテレ朝の男性アナだった小久保知之進がトゥナイト2の番組内ではリポーターとしてよくセクシー系の店などに潜入ロケなどに行っていた。
※蛇足だが、この小久保アナは日中の番組でニュースを読む時などは「小久保知之進」と画面に
表記されるのだけれど、深夜放送の「トゥナイト2」に出ている時は名前の表記が
「小久保とものしん」と、ちょっとクダけた感じの深夜番組仕様ひらがな表記になっているのが
気になっていた。芸がコマカイ。
このコラムでもたまに登場させてもらっているが、バイト時代の先輩がいてその先輩は当時から、このトゥナイト2で潜入ロケにいった時の小久保とものしんのモノマネをたまにやっていた。
オレはそれが大好きだった。というか今でも大好きでたまらない。
片手でマイクを持つマネをして、その手を口元に持ってゆき、中腰でキョロキョロしながら
ゆっくり歩き、
「いや!これは…… す・ご・い・で・す・ね!」
と言いながら、いかにも驚いた表情をするといったモノマネだ。
これはご本人にも言っているが、はっきり言って声とかそんな似ているわけではない。
でも、なんかその動きとセリフのチョイスがいい部分を抑えているように思えるのと、
当時はほとんどの人(特に女性)が知らないであろう小久保知之進というマニアックなアナの
マネをすごく思い切って楽しそうに演じているその先輩の目の輝きがオレはなんとも好きで
たまらないのだ。
年下がこう言うのもちょっと失礼かもしれないけど。でもマジでそういう部分含めてリスペクト
している。
いまでもたまに話したり会ったりすると、お願いしてマネをやってもらい、それを聞いたオレは
一人でゲラゲラとウケまくっている。
そういった男同志の人間関係ってなんか好きだ(笑)
まあ、そんなようなことから色々とトゥナイト2に関する想い出はいっぱいあるのだけど
有名女優などが写真集などを出した際、番組がそれを特集する時にいつも登場する
西新宿の書店があった。
小久保アナその他、トゥナイト2のリポーター陣がよくその書店に出向き、写真集の売れ行きや
こぼれ話などを店員インタビューしている店だった。
場所は小田急ハルクの裏あたり。
一応一部伏せて「ブックス○○ラン」としておく。残念ながらいつの間にか閉店されていたが。
もう十年以上前だが、当時のその店はオレのいた会社にとって付き合いの長い重要な
お客さんでもあった。
前任から引き継いだオレはしばらくその書店の担当をしており頻繁に顏を出していた。
週に一回は大久保方面にあった会社を出て大ガード下を経由し、そのブックス○○ランまで
歩いていたので何度も視界には入ってはいたのだが、たぶんその古びた外観が醸しだす
印象から、あまりよく考えずになんとかく喫茶店とかだと勝手に思い込んでいた
のだと思う。そんな歴史ある名店だなんて知らなかった。
で、やっとここから本題。
今回も居酒屋放浪シリーズ。
ぞっこんさんからもおススメだという情報を頂いた新宿の「ぼるが」へ!
幾多の酒場ガイドでも紹介されており、また吉田類氏も行った店である。
ぞっこんさん、情報のご提供ありがとうございました(^・^)
『ぼるが』
東京都新宿区西新宿1-4-18
西新宿の高層ビル群の麓に佇む「ぼるが」
あ! 見たことあるかも!! と、思った人も多いのではないだろうか。
壁や看板をよく見まわすと、たしかに酒場や焼き鳥を謳うような言葉も見えている。
営業でこのヘンをまわっていた当時から、いわゆる名酒場に興味があったわけじゃない
けど、当時はホントに喫茶店だとか思って横目にしていたのだと思う。
ぼるがスルー。
いろんな本やサイトを見てみると、この「ぼるが」は一階の雰囲気がかなり良さげだ。
昭和の香りが漂う中にも、どこか西洋の匂いも感じられる。
オレのイメージではルパンと次元が夜にウィスキーグラスを傾けながら作戦会議をしたり
語り合ったりしている通好みの酒場のような感じ。
洗濯して干してあった黒い帽子を敵に全部焼かれてしまい、拳銃を打つ際の照準が合わなく
なった次元がルパンに対してどうしたらいいかとか、この「ぼるが」で相談していそうだ。
酒飲みにとってまさに聖域中の聖域のような景色の「ぼるが」1階。
ぜひ、ここで酒を味あわなければイカン!
念には念をいれて開店時間5分後に店に行き、扉をあけた。
カウンターには既に1、2組、テーブルにも数組の先客。
店員さんが
「いらっしゃいませ! おふたり? 2階のほうへどうぞ」……
はうあっ ∑(゚Д゚)!!!
まあ、しょうがない。
こういったズレた間の悪さも、それがオレのタイミング。ブラックビスケッツ。
ビビアン・スーの本名はスーロー・セン。
とか、言いつつ2階は2階でなかなかの雰囲気だった。
屋根裏部屋みたいだ。客は当然まだオレらだけ。
案内された席のナナメ前には囲炉裏をイメージしたような席があった。
そしてすぐ隣には桝席のような席があった。
もっと夏になったらたぶん2階の窓はあけられるのだと思う。
そんな中で、店の中を吹き抜ける風をうけながら、この枡席で友人たちと呑む酒は
美味そうだ。
まずは生で乾杯。
隣にあるのはお通し。
先に言ってしまうと、ここはお通しの料金をとらない。
そこが人情的。
前情報だと、この「ぼるが」は‘ばんやき’という盛り合わせが名物だと聞いていたが
壁のメニューを見ても見当たらなかった。
でも「焼きとり5本盛り合わせ」というのはあったので、おそらくこれのことだと判断して
二人ぶん注文。
そして卓に届いた。
おお、なんとも本格的で美味そう。
食ってみたら確かに美味かった。
ただ何故かカワだけ3本あり、他の何かが1本足りない(笑)
でも美味いからまあいいかと、寛容な気分になる。
ビール・串・ビール・串と交互に口へ運び、昭和の空気を堪能するオトナ時間。
この酒場シリーズ開始してから、なんだか必然的にトリばかり食っているような気がする。
「トリ人間コンテスト」があったらエントリー出来そうだ。
ペダル必死に漕ぎながらプラットホーム上を琵琶湖の水面に向かって滑走はしないけど。
毎回毎回、飛ぶ直前になってプラットホーム上で翼が折れたりして、危ないからと棄権しろと
大会委員から言われて涙するチームが絶対ひと組は出てくるんだよな、あれ。
まあ、そんなこたぁ、どーでもいいのだが。
そんなこんなで昭和の雰囲気と焼鳥を楽しめた。
来てみてよかったが、今度は是非一階で呑みたい!
いろんな居酒屋まわって一周したら、今度は「一階呑み」を目指して再訪するつもりだ。
ちなみにオレの好きな寺山修司とかもこの「ぼるが」には足を運んでいたとのこと。
この酒場テーマ、調整上の問題で頻度が増えているけど、記事にした回数だけの日数を
呑みに繰り出しているわけではないし、そんな余裕もない。
テレビでいうところ、「1日2本撮り」でオンエアは2回分けの方式。
ということでまた近日にこの日の2本目(2軒目)公開予定です(笑)
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