昼にカレーライスを食べたとする。
夜はコンビニで弁当を買う。でも弁当だけじゃ腹は満たされないのでサブ的にパンでも
併せて買おうとする。
何がいいかなと思ってパン売場で品定めしているとカレーパンが目についたので
弁当と一緒にレジまで持って言って会計を済ませてから
「あ! 昼もカレー食ったんだ!」と気付いて嘆くこともあったりする。
昼カレー食べたことを思い出した瞬間、なんとなくもやっとした失敗感と損失感に包まれて
ささやかな落胆をしたりするのだけれども、冷静に考えてみたらたと昼にそれと通じるものを
摂取したとしても、夜は夜でその時に純粋に食べたいと思って手にとったわけだから
別にいいのではないかと思ったりもする。
そういった、ウッカリによって一日に同じモノを2回食べてしまったことがある人はいると思うが
本当に好きで意図的に朝、昼、晩と同じものを食べる人っているのだろうか。
また、果物やデザートが大好きな人は栄養の偏りの件を抜きで考えたら、主食が果物とか
甘いモノだけでもやってゆけるのだろうか。
今回 「チョコレートドーナツ」という記事タイトルだけれども、食に関する記事ではない。
ちょっと前にアメリカで製作された人間ドラマの映画のタイトルである。
この作品も前から気になっていてずっと観たいと思っていた。
2週間ほど前に観たから本当はもっと早く記事で紹介するつもりだったけど
熱海の日記が入ることになった流れから、ずらして今になってしまった。
歌手を夢見るショーパブのダンサー、ルディは検事局のポールにひと目惚れしてカップルと
なった。
ある日、ルディの近所に住むダウン症の少年マルコの母親が薬物所持で逮捕された。
男に溺れる母親から見放されたマルコを引き取って三人で暮らすという決心を二人はする。
自分の部屋を与えられ、二人からの愛を注がれるマルコは感激する。
3人はやがて本当の家族のようになるが、司法と偏見がそんな3人の幸せを引き裂こうとする……3人はどうなるのか。
というのが概要。
ダウン症の少年マルコはチョコレートドーナツとハッピーエンドのおとぎ話が大好きな純粋な
少年。
食事中もチョコレートドーナツを食べたがる。
邦題にはってはいるが、これは重要なポイントではない。
ただ今回の記事に関しては、とっかかりが読みやすいようにあえて食事に関することから
切りこんで入っていっただけ。
純粋に愛し合うゲイのカップル、そしてそのカップルから愛を受けて暮らすようになった
ダウン症の少年。
重いテーマが二つ重なっているが、けっして映画としてセンセーショナルを設定しているわけではなく、1970年代にアメリカで実際にあったことがベースとなっている。
前に紹介した漫画「死役所」と同じで、面白いとか楽しめるとかいったふうに判断する映画ではなく「考えさせられる映画」であり、一度観ておく価値はある。
ゲイのカップルに対する差別と偏見が二人を襲い、「そんな二人の中に障害を持った子をおいて
おくのはいけない」という司法が、二人からマルコを引きはがし、収容場所から出てきたのにも
関わらず、一向に反省しない母親のもとへと強引に戻そうとする。
法律とかモラルの正体っていったい何なのだろうか。
オレは前から、傷ついた人間を守るために法律があるのではなくて
法律を第一として守るために、人間が傷ついているような気がしてならない。
少年法と被害者家族の例もそうだ。
なんというか本末転倒。
そして歪んだ良識やモラルが世の中の差別や偏見を加速させ、マイノリティの人々の
幸せを削りとってゆく。違うか?
マルコを演じたアイザック・レイヴァは実際にダウン症の少年。
それだけに存在感がとても伝わってくる。
ハッピーエンドのおとぎ話が大好きなマルコ。
そんなマルコに待っていたラストとは……
……涙です。
ご興味ある方は是非ご自身の目でお確かめください。