ラーメン大好き小泉さん | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

高校一年生の時、仲のよいクラスメートのひとりに天然パーマでメガネのやつがいた。

それだけ聞くと、ガリベンかオタクにようなイメージがわくかもしれないが、ヤンキーでも

ガリベンでもオタクでもなく、同性異性問わず普通になじんでいるやつだった。


仲間内でもけっこうイジラレキャラのやつだったので、天パにメガネというそのルックスから

オレが「小池さん」という渾名をつけたら、期間限定で定着してしまい、オレとしてはちょっと得意げだったが本人はイヤだったかもしれない。

かなり有名なので説明するまでもないが、「小池さん」とは言うまでもなく、藤子不二雄の漫画の中に頻繁に登場する、いつもラーメンをすすっている「小池さん」のことである。


仲のよいクラスメートだったから、まだ仲間内の爆笑という範囲内でまとまったが、これがとくに

親しくもない大人しいクラスメート相手だったら「いじめ」になってた危険性もあった。


その小池さんの話を踏まえたうえで、最近この本を買ってみた。

『ラーメン大好き小泉さん』


ラーメン大好き小泉さん 1 (バンブーコミックス)/竹書房
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見たらわかるようにタイトルの由来は、ラーメン大好き小池さんだ(笑)


「小池さん」じゃなく「小泉さん」いったように名前は微妙に変わっているが、

パーマメガネおじさんの小池さんとは異なり、「小泉さん」は女子高生である。

しかもラーメンが大好き。


オレはもともと漫画はあまり読まないので、この本は文学有志の友人から教えてもらって

知った。


ちょっと前の夜中にスカイプで文学談義としていて、お互いにこれからこんな小説を書いて

いったらいいんじゃないかとかいったような話をしていた。


その中で、「ケンさん、ラーメン文学とかってやってみてもいいんじゃないですか」とか

いう流れになって、それから知人が次郎系の店にいったという話になって、そこから

最終的にラーメンに関する話になり、そういえばこういう漫画があるんですよといった情報を

聞いて漫画の存在を知った。


前から気にしてはいたがなかなか購入する機会がなかったが、1週間前に試しに買ってみた。


クールで無口なんだけれども大食いでラーメン大好きな女子高生「小泉さん」が日ごと美味しい

ラーメンを求めて食べ歩くラーメングラフィティである。


読んだ限りでは、実在するラーメン屋がほぼ毎回登場するが、権利とかの問題なのか単なる演出か、店名ははっきりと表示はされていない。

とはいってもマスの中に描かれる外観や暖簾の一部に噴出しがかぶさっていたりしているだけ

なので、見えている文字だけでも、どこの店かはすぐわかる。

例えばだが「×勝軒」とかいったように。


正直な感想。

ストーリーや画を期待して読むには、ちと薄い。

これは決してディスっているわけではなく、作者さんもきっと、そこを狙って描いているんじゃ

ないと思う。


すでにラーメンの世界にある程度足を踏み入れている人には、もの足りなさがあるかもしれないが

これからラーメンにはまりそうだという人にとっては「こんな店」「こんなラーメン」があるんだといったような入門編として妥当かもしれない。


コマの中に限らずに前編においてハッキリとした「店名」はいっさい出てこないが

本編に入る前に目次を読んで、このタイトルはどこに店をあらわしているとか、どこの店の

ことを書いた章だとか推理するのも、ちょっとした楽しみかも。


ちなみに第1巻のラインナップ(章)は以下のとおり。



1杯目・ヤサイニンニクアブラカラメ


2杯目・まーゆ


3杯目・こってり


4杯目・サイミン


5杯目・北極


6杯目・コココココイズミさん(前編)


7杯目・コココココイズミさん(後編)


8杯目・味集中カウンター


9杯目・即席麺


※(6杯目と7杯目は同一店)



9杯目の即席麺は抜きにして、とりあげられた7店舗のうち、4店舗までは目次だけみて

どの店かわかった。


すべて分かって正解したアナタはもはや「ラーメン神」だと言っても過言ではないだろう。


さっきも書いたとおり、ストーリー性のある漫画としては個人的におすすめではない。

だけどこれを描いている作者さん(女性)のラーメン愛はものすごく伝わってくるものがあるし、

好感はもてる。

自分の行ったことある店が出てる話とかは親しみがもてるかも。


ハマるハマらないとかではなく、ラーメン好きの人は一度だけ読んでおいてもいいかもしれない。

漫画もラーメンも個人の好みだから、もしかしたらハマる人はハマると思う。


今回はまだ漫画の存在自体を知らない人がいるかもしれないことから、とりあえずこういう漫画があるよといった広報をさせていただいた。