おばけ屋敷進化論 | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

お盆で出掛ける場所は結局、猿島だったが、候補は他にもいくつかあった。

候補の中のひとつで、オレなりに結構惹かれて場所も料金も手ごろだったスポットが一か所。

ただ「自然」とか正反対の位置づけだったんで、今回は選考において落選したが、

やはり、ちょっと気になる場所。


入場自体は無料の東京ドームシティ内にある期間限定の「オバケ屋敷」


『呪い歯・密十号の家』 である。 詳しくはココ


媒体は何だったか忘れたが、なんかで紹介されてて面白そうだなと思った。


なんか大人になってから、オバケ屋敷とかまたたまに行ってみたいとか思うように

なったけど、幼稚園から小学校低学年くらいの時のオレは、ビビりだったんで

遠足とかで遊園地行って、周りの友人たちがオバケ屋敷見つけて「入ろうぜ」とか

言っても極力、阻止する側に回ったものだ。


ただ、子供ながらのプライドと、一度へタレだと思われると、しばらくの間バカにされたり

仲間内の中でのポジションが最下層になる恐れがあるから、「コワい」から入りたくない

ということを匂わさないようにして最大限にオバケ屋敷に皆で入る流れを止めるように

アピールした。


「やめようぜ!さっき、ここから出てきた人が言ってたの聞いたけど、全然怖くないうえに

すぐゴールについちゃうっていってたぜ! オバケ屋敷なんてコワくないと面白くないじゃん!

どうせ入るんなら、怖いオバケ屋敷に入りたいじゃん! こんな子供向けみたいなオバケ屋敷

入るなんて時間もったいないよ! 他の乗り者乗りに行こうぜ!!!」


と言った感じで、たたでさえオレが苦手とする奥義「ハッタリ」に30倍の界王拳を掛けて必死に

阻止する。入りたくないもんだから(笑)


それでも「入りたい派」が多く、やむを得ず「しょうがねえなあ!じゃ入っていいよ」と言って

皆のあとについて入ってゆく。涙目になりながら。


ひとつだけ誤解にないように言っておくと、子供とは言え、さすがに現実くらいは分かっている

んで、オバケがコワいのではなく、暗闇と、その中で急に何かが出てくるということが怖いのだ。


友人3,4人と一緒に暗い通路を進んでで行き、「いやあ、対して怖そうじゃないな」とか強がる

そぶりをしながらも、心の中では

「いやー、やだなー、やだなー……アノ角のあたりで何か動いたような気がしたな―、

こわいなー、やだなー、こわいなー、やだなー、こわいなー、こわいなー、こわいなー」

とI・J風につぶやいてたりする。


キモッタマがビッグなやつらは、叫び声をあげたりしながらも、その恐怖を楽しんで

「うぉー!」とか「ははは!びびったー!」と「わはははは!こえーよマジで!」とか

喜んで笑ったりしているが、それに合わせて、ホントは怖いのにオレも楽しんでるフリを

する。ムリに笑うんで、笑い方が「アハハハハ」というふうに往年の田原俊彦みたいに

なる。まさに、かっこつかないね。ぎこちない。


純正のナチュラル・ボーン・へタレである。

そういえば高校生の時も、つるんでいる仲間の一人が免許取った時に、その友人が

鎌倉にある○○武将のお墓(心霊スポット)まで真夜中に皆でドライブ行こうぜと誘ってきて

「おお!行こうぜ!」と強がっていってたものの、場所に行くのは怖くなかったがタタリが

怖くて、家にあったお守りをコッソリ、上着の内ポケットに入れて出向いたこともあった。


数年後、もう充分、笑い話として発酵した頃だろと思い、そん時同行した友人に

「あの時、実はオレ、ちょっとビビって、ポケットに谷保天満宮のお守り入れてたんだよ」

と言ったら、

「いや、お守りは別にいいけど、谷保天満宮は『学問の神様』だぞ」と言われて、狙い違うと

ころで笑われた(実話)


いやー、でもなんだかんだで色んなオバケ屋敷には入ったかもな。

まだあるのか分からんけどサマーランドのオバケ屋敷も入ったし、戦慄迷宮が出来る前の

ちょっとしょぼい富士急のオバケ屋敷も入った。


さすがに小学校卒業するくらいになるとオバケ屋敷の抵抗はない。

絶叫マシンは今でもダメだが。

富士急行っても、絶叫以外のライド系とか映像系ばっかだな。楽しむのは。

絶叫好きから言わせれば、富士急まで行って絶叫乗らないということは、牛丼買って

肉食わず、ゴハンと紅ショウガと玉ネギだけ食う人みたいなもんなんだろうな。違うか……。


話は本題に戻りけど、今のおばけ屋敷は結構進化してるみたいね。

入ったことないけど富士急の戦慄迷宮もちょっと行ってみたい。

でも遠いからムリ。人気あって待ちも長そうだし。


あとはちょっとね、どちらかといえば「オバケ屋敷」というよりもバイオハザード的な脱出系より

かなって気もする。オドロオドロしいっていうよりも、衝撃系のような。

それでもかなり面白そうには違いないが。


あれだけ大規模で、実際の人間を使って驚かすというのも進化系おばけ屋敷の先駆けかもしれん。


ひと昔の遊園地とかお祭りのおばけ屋敷っていうのは、その屋敷に対するエピソードとかいう

ものがなくて、ただ、ボロくて暗い家(屋敷)に異形のモノが潜んでいて驚かすっていう大雑把

なモンだった印象がある。


ひどい演出だと、明らかに西洋風の洋館なのに建物の中に井戸があって、その中から

白い三角形のアレをつけたオンナの幽霊が出てきたり……。よくわからん和洋折衷。



でも、最近のおばけ屋敷は、とてもこっていて、その屋敷にまつわる忌々しい過去や

呪われた関連人物などの設定もしっかりとして、物語性があるようだ。


それが、最初に紹介した「密十号の家」


エピソードは、かの有名な貞子が登場するリングのテイストに近い気がする。

周りの人間から気味が悪いといわれ迫害された女性の「歯」にまつわる話(だと思った)


エピソードありでの日本の民家を舞台にした「和」の恐怖というのは外国のホラーと違って

精神にジワジワと恐怖が浸透してくる。

こういうの好き。


期間限定だけど、ちょっと行ってみたい。

だれか行った人いたら感想教えてください(笑)


しかしなあ、よく死体を見かけてしまったらコワいと言って、たしかに実際見てしまったら

こわいとは思うんだけど、でも、ホンモノの死体は襲ってきたり、人を陥れたりしないんだよな。

冷静に考えると、死体よりも生きている人間のほうが100倍コワいと思う。


いつ襲ってくるかわからない怖い存在の生きている人間に囲まれていることを

考えると、今オレらが生きているこの世の中が、とても壮大なおばけ屋敷の最終系なのかも

しれないね。