ドラマとかにおいて、そのドラマ自体は見ていないし、主演役者も好きじゃないけど
主題歌や挿入歌は好きだとかいうパターンはあると思う。
もっと突き詰めて言えば、歌っているアーティストも基本好きじゃないけど、この曲だけ
は単体で好きだというケースも。
オレはジブリの映画はだいたい好きで、素晴らしいと思うが、その中でも好みがあり、
ファンだからといって決して全部大好きというワケではない。
ラピュタとトトロ、千と千尋は好きだが、もののけ姫はちょっと苦手だし、ポニョは
子供向け過ぎたと思う。キライではないが。
「風の谷のナウシカ」は正直、始めてみた時に意味があまりわからなかったんだよなあ。
2回目でなんとなく理解できた。
オレの中のジブリ映画の中でのランキングは真ん中くらい。
でも、ナウシカの好き具合とかに関係なく曲は曲として、この「ナウシカレクイエム」が
好きだとか、好きでないとしてもアタマにこびり付いている人は多いと思う。
オレは名曲だと思っている。
恥ずかしながら、歌っているのが久石譲の娘サン(小さい頃の)だと知ったのはつい最近。
この曲も大雑把に括ると、さだまさしの「北の国から~遥かなる大地より~」とか
由紀さおりの「夜明けのスキャット」と同じといえば同じなんだよな。
2,3音だけからなる曲。
「ら」と「ん」のみ。
お客サンに見せたり聞かせたり、または買わせたりするという意味では、歌詞やメロディに
あまり意図が入らないのも考えモノかもしれんが、かといって、‘カッコよく歌おう’とか
‘とりあえずインパクト与えるワード入れよう’とかいう意図が入り過ぎるのも、
またイヤらしくて、どうかなあって感じる。
それを踏まえると、さだまさし、由紀さおりと同じく、このナウシカレクイエムのような
数少ない音と単調なメロディーのみでインパクトを与えられるというのは偉大だと認めるべき。
当時素人の子供が歌っているというのも斬新だったかも。
ところどころビミョーに音程がずれたりするところに、純粋な血の通いを感じる。
これがプロだと商業的技術が先行し過ぎて、ここまでの味と儚さは醸し出せない。
なんとなく……聞いているとコワいようなやさしいような気分でになり、わけもなく
泣きそうになってくるんだよな。音のデトックスとでもいうかなんというか……。
ナウシカは2回くらいしか見てなくて、正直今でも完全に理解できていない部分はあるんだけど
王蟲の子供が体中にクサビみたいなのを刺されて、つるされて運ばれてたのシーンは可哀そうだ
と思った。