ブラック企業はホラー映画に通ずる | 昭和80年代クロニクル

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古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

映画「冷たい熱帯魚」の脚本家でもある映画ライターの高橋ヨシキ氏によると、

ハリウッドにおけるホラー映画のコンセプトは「ディスコミュニケーション」だという。

「会話が出来ない、なりたたない」ということ。

いわゆる殺人鬼やモンスター相手には意志伝達や、話し合いが出来ないから

ただ、逃げまわったり、殺されたりするだけだということ。


これを聞いてなんとなくハリウッドのホラー映画……とくに田舎や廃屋屋敷に行って

ごつい刃物系もったコワい人に襲われるホラーと、今話題のブラック企業は似てるんじゃ

ないかと個人的に思った。


過去に、資本主義はエイリアンに似てると思ったことを記した「経済エイリアン」

という社会派記事??を書いた時に、思ったより共感のお声を頂いたのが嬉しかったんで

今日もまた調子にのって、映画と社会を比べた固いネタを書いてみよう。


今の映画でいうと、公開しているの知らなかったが、「悪魔のいけにえ」のリメイクである

「テキサスチェーンソー」の最新作みたいなのが絶賛公開中みたいだ。

実在する殺人鬼エド・ゲインをモデルにした人間の皮のマスクをかぶった殺人鬼レザーフェイスと、その家族が若者を襲うアレ。

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一応、最初のやつも、2作目のビギニングも見たな。ビギニングはちょっとエグかった。


これもハリウッドお約束の流れで、男女混合の若者の集団が田舎のほうに行って、

たどりついた怪しい屋敷で、殺人鬼にどんどん襲われたり殺されたりする話(笑)。


この映画になぞって、ブラック企業との類似を挙げてゆこうか。


簡単に言えば


殺人鬼一家の屋敷      → ブラック企業

殺人鬼(レザーフェイス)   →経営者

殺人鬼の家族        →経営上層部

迷い込んで殺されてく若者  →新卒・新人・転職者


まず最初に、田舎に遊びにきた若者達が惨劇の舞台になる殺人鬼の家に

入りこんでしまう状況は、就職希望者がブラック企業を受けてしまうことにあたるのは

説明するまでもないだろう。


ここでひとつ、新卒学生とかに唯一足りなかった部分があるとすれば、

あまり詳しく企業のことを調べずに、なんとなくの雰囲気や、華やかに見える業種だという

ことで受けてしまったということ。もちろん全員だということはなく一部だが。


これはホラー映画のほうで言えば、キケンをあまり考えずに、興味本位や肝試し感覚で

あぶない建物やエリアに足を踏み入れてしまうことや、たまたま道に迷って辿りついた家で

あっても、まさかアブナイ人が住んでて出てくることはないだろうという油断にも当てはまる。


映画のほうでは、建物の入口でノックすると、まず殺人鬼の家族がヒョコっと顏を出す。

心の中では「カモがきた!」と思っているくせに、バレないように笑顔でニコニコ対応し

「大変でしたねえ~……。まあ、どうぞ上がって休んでください」みたいな良い人のフリして

接する。


この窓口的な状況はブラック企業側の人事や採用担当にソックリ。

自社や社長の方針として、使い捨て大量採用するということを知っているのに、

それがバレないように面接とかでもニコニコして、会社のいいところしか言わず、

まるで良い会社のように説明する。そして、社内に引きずりこむ。


殺人鬼のフィールドに入ってしまったら、そこはもうレザーフェイスの独断場。

なんとなく建物の中の雰囲気がオカシイと気付いた時には、もう、殺人鬼は訪問者を奴隷に

し、最後に殺す準備に入っている。



殺人鬼とその家族の巣に迷い込んでしまった若者

ブラック企業に入社してしまった若者である。


さあ、惨劇の幕開けだ。


次から次へと襲われ、ひとり、またひとりと消えてゆく仲間。

過労、鬱、理不尽解雇に追い込まれる同僚。同期。


屋敷内で追いかけて襲ってくる殺人鬼から逃げ回ってたら、正面に人がいた……

助けを求めようとすがりつくが、そいつも殺人鬼の家族でグルだった。

逆に取り押さえられてしまう。

経営者の側近はみんな、長いモノには巻かれろ派だ。若い人間なんかよりも社長側に

  べったりなのが定義。助けを求めても、逆に密告され差し出されるゾ。


殺人鬼には、意見も謝罪もかけひきも通用しないのだ。

なぜなら、彼ら(殺人鬼とその一味)は、感覚が破たんしているから。


まさに「ディスコミュニケーション(意志伝達不可)」


彼らの家の中には、その意見や訴えが、正しいか間違っているかなんていう理論や疑問は

ないのです。

ただ、ひとつあるのは「上の人間が言う事が絶対」「人の命や健康よりもカネ儲け」という定義

だけ。

いくら訴えてることが正しくても、若い人間や下っ端のいうことは、間違いになるのだ




そして、押さえつけられて動けない若者にチェーンソーを持って迫る殺人鬼……


さて、ここで佳境…… そして問題です。



チェーンソーや、オノをもった冷酷な殺人鬼と

人のことをなんとも思わない儲け主義の冷酷な経営者。


この2人が行う共通した「普通はやらないこと」とはなんでしょう??




正解は……




なんのためらいもなく『人のクビを切る』んですよ……



そんなこんなで、ブラック企業なるモノは、なんとなくハリウッドのホラー映画に通じる

部分があるなあと感じたのだが、共感頂けただろうか。

頂けたなら幸い。



そういうワケでワタミキラー・吉良嬢よ……

この際、改憲やTPPなんて後回しでいい!

国会に行ったら、まずは同じ土俵になった渡邉美樹を全力で潰してくれ……

切り刻んで、本人の愛する自分の居酒屋のお通しの中にでも入れてやるのだ!

国民の期待がかかっとるぞ(笑)



〆だけホラー映画さながらに過激になったな……(-_-)