今日は色んな人が読めることを書こう(-_-)
オレは本が好きなのだがとくにエッセーが好きだ。
書いてる人の人柄が垣間見れるようでオモシロイ。本音やら弱音やら。
小説もいくつか呼んだけど西加奈子のエッセーはオモシロイなあ。
そんなエッセーに「座席」にかかわるコトがほんの一言だけ書かれてた箇所があり
それでオレの中で呼び起されたテーマがあるんでそれについて。
皆さまは『新幹線』ご存知でしょうか?
あの青と白でゴォーっと走るヤツ。
テリーマンが子犬を助けるために全身で止めて失格になったヤツ。そう、アレ。
もう何年も前だが仕事で月に一回、1週間ほど大阪に行ってて、当然、行きと帰りの
新幹線のチケットを自分で確保するワケですよ。
その時に若いウェルテルと同じくらいに大いに悩むコトが 『 A or C 』
簡単に説明すれば座席である。どちらにするか。
新幹線の座席は窓側のA、真ん中のB、通路側のC、そして通路挟んでD,E
(一人であれば)全ての席が空いてる場合、好き好んで真ん中のBを確保する奇特な人は
まずいないと思う。前田のあっちゃんでもこの場ではセンターを希望しないだろう。
だから、人気席はほぼAかc
往復共に、毎回チケットとるときにどちらの席にするか悩んでいたのである。
精神年齢が低いオレはいくつになっても窓から流れる風景を見るのが好きで、
新幹線乗るたびに「ああ、また謎の‘727’と書かれた看板が畑の中に見えてくるぞい」
などと楽しみたいから窓側に座りたい・・・。
と、同時に、肉体年齢がプリンスカメハメ並に低下してるオレは水分とったらオシッコが
近くなるのでいつでもすぐトイレに行けるように通路側に座りたい。
という「あなただけ見えない」の三上博史のような2人の人格をもつオレがオレの中にいる。
窓側の席をとればサッシのとこにヒジをつきながら頬杖で自分に自惚れながらゆっくりと
外の景色を堪能することが出来る。だが、もしトイレに行きたくなったら隣のBCに座っている
[障害物]2つを越えてゆかなければならない。
かといって通路側の席を取ればいつでもスっとトイレGOGO出来るのだが風情も何もない。
ヘタに足を通路にはみ出るように伸ばしてくつろいでたら車内販売の台車により足の甲が
轢死する可能性の恐怖も無きにせよアラズ。
『A or C』 究極の選択。
とうぜん最もベストな状況は窓側の席に座って、隣2席が‘空き’なんだけど、
まあその可能性はほとんど無い。
前例から言うとどちらのパターンも最低1回は経験アリなんだが、もしまた新幹線のる
機会があったら同じく悩む。
窓側に座った時はねえ、極力トイレの回数を減らすよう耐えましたわ。
一回一回、「すいません」とボソボソいいながら前の狭い空間を忍者のように抜けて
通るのもなんかメンドくさいというのもあるし、申し訳ないというのもあるし…。しかも2人だから。
これがね、姿勢良くてずっと起きてる人ならいいのだが、足をグダーって思い切り伸ばして
寝られたりしてたらキツい。さらに太ってたりして。
あとは決まって正午より前にはまえもって隣に人に「すいません」と言ってトイレに行って
おいたわ。そんなにしたくなくても。
正午近くなると
【もうすぐ昼だから隣の人が手前の簡易テーブルだして駅弁喰いだすぞ警報】
が発令されるんですよ。私の頭のカンピュータ―により。
ただでさえ通り抜けるにはタイトな道であるのに、テーブルひっぱりだされて弁当置いて
食事されたら、もう完全な「通行止め」ですわな。
だから土砂崩れで道がふさがる前に通行してしまおうというこってす。
でもタイミング間違えて、それ以前に一度隣の人の前を通ってトイレいって、
さらにそんな経たない間に昼前になってしまってまたトイレ行くと、隣のオッサンに
心の中で「オマエはオシッコマシーンか!」と思われそうな危機感もあるわけでそこもまあ
なんというかジレンマ。中村由真の歌の。知ってる人いねぇか・・・。
またサイアクで一回あったのが隣に座ってたサモハンみたいな太っちょのサラリーマンの
オッサンが弁当食うまではまだ良いのだが、喰い終わったあとテーブルを引っ込めないで
弁当の空きカスもその上の乗せたまま、足をダラーと伸ばしてグガ―と寝始めやがった。
ただでさえ通路に抜けるにあたり狭い幅なのに、上のほうはテーブル出されたままで
下は両足伸ばしてだされ、おまけに真ん中はオッサンのメタボ腹。
完全に抜け道封鎖されたやんか!
この時ばかりはチキンなオレもマナーの悪さに怒りが多少出てしまった。
すぐ隣に当人がいるのに何回も「チッ」と聞こえるように舌うちをした。
フツ―の人にすれば大した抵抗ではないが温厚なオレにしてはかなりの攻撃意思表示である。
タイガージェットシンがついにマジ切れして、サーベルの柄の部分で殴るのではなく、とうとう
本来の武器の部分である刃の部分で斬りつけてきたようなくらい珍しい攻撃意志である。
うぬぬ、しかし通路(トイレ)への抜け道は絶たれた状況に変わりはない。
列車内にして孤立ではないか。
別荘に招待されたはいいが夜に殺人事件が起きて、とりあえずここから脱出しようと外に
出てみたら、来る時に渡ってきた吊り橋が燃やされて向こうに行けなくなってしまった
金田一少年ご一行と同じ状況。
こちらは何も悪くないのに「前通らしてください」というために起こしたとして、そん時に
睡眠のジャマされたみたいな顏されるのもイヤだし。
うーん、考えるんだケン田一、じっちゃんの名にかけて。
結果、オッサンの腹と簡易テーブルのわずかな隙間をオッサンにもテーブルにも
ふれないように大きく上手く跨いで越えることにした。(伝わるかな?)
村田兆治に匹敵するほど足をあげ、張り巡らされた赤外線をくぐり抜け宝の入った
ショーケースに向かうルパン3世のようにオッサンとテーブルの隙間を跨いで抜ける荒業。
なんでオシッコすんのにこんな摩訶不思議アドベンチャー体験せにゃならんのだ、ボケ。
とりあえずオッサン越えは成功。跨いでる最中にパチって眼をあけられ気付かれたりせんで
よかったよかった。
スッキリと小用を済ませて、通路を歩き席に戻るとオッサンしっかり起きて
きちっと空きカス捨ててテーブル引っ込めて姿勢よくすわってたわ。
もっと早く起きろボケ!カス!トリカブト!
そんなこんなで今宵も新幹線は多くの人のジレンマを乗せてレールの上を
疾走してるのでしょうなあ。 ってオレだけか?こーゆーの?