旅に出たい。でもムリ。
今でも沢木耕太郎の「深夜特急」読んでいてもたってもいられなくなり
旅に出る若人は日本に多いのだろうか。
多くの書評で「深夜特急」読んだ若い男性が皆、リュック背負ってポンポンと
日本を出発した歴史があるとのことだからJALとANAにすれば沢木氏を名誉広報部長に
任命してもいいんじゃないだろうか。
日テレのTプロデューサー(当時)も深夜特急思い出して、猿岩石にヒッチハイクさせる
企画を打ちだしたようだし。
あまりにもトピックになるからオレも何年も前に「第1便」だけ買って読んだんだけど
当時はちょっと合わなくて1だけで挫折。
電波少年ヒッチハイクで言えば、香港脱出前にギブアップ。T部長激怒てなとこ。
なんでだろ?
同じ旅好きでも沢木氏の旅の出発は「チャレンジ&冒険」的なもので、
オレの旅の出発は「放浪・逃避&癒し」的なものだからかな。
だからちょっと苦手だったのかも。
オレの人生は無気力ブラブラがモットーのつげ義春テイストですから。
この時期で節電心がけてるから 「やる気スイッチ」 は一生ONにしませんよ。
生活の中の‘熱意’も抑えてユルリと肩の力抜いて生きないと精神がショートするって。
カンケ―ないけど「スクールIE」の一番最初のCMで、スイッチ入れられた時の顏を赤くした
女子学生の表情が鼻についたのってオレだけすかね?コレよ→ 「コレ」
閑話休題。
でも、やはり沢木サンの旅物語はなんか惹かれるとこもあるのが事実で、
「深夜特急」よりもコンパクトに読めそうなのを1冊読んでみたのだが、面白かった。
『一号線を北上せよ ヴェトナム街道編』
- 一号線を北上せよ<ヴェトナム街道編> (講談社文庫)/沢木 耕太郎
- ¥540
- Amazon.co.jp
[旅に出たい- 身を焦がし、胸を締め付ける思い。ホーチミンからハノイまで〈私〉は幹線道路を
バスで走破するイメージに取り憑かれてしまった] (裏表紙より引用)
読んでて情景が目に浮かぶのなんの。
太陽GIRAGIRAの灼熱のアジアの地で、現地の人が乗る骨組みみたいな原付が走りまわる
道路の周りで砂塵が巻きあがってる風景がぁっっ!
うわああああ!また数年ぶりに「バンコク」に行きたくなってきたぁ!
(この本の舞台はベトナムだけどね)
うむむ、たしかに沢木サンの本読んで、「うおお!海外行くぜ、ニンニキニキニキニン!」
ていう若者が多いのも解かる気がしてきた。
たぶん、数年前のオレはまだ「深夜特急」に乗り込むには早すぎる人間であって
乗車拒否されたんだろうな。今ならチケットを買えるかもしれん。
沢木さんてのは行動派なんですな。
入った会社を1日でやめたとか言うし、急に旅に行ったりするし。
この本の旅に関しては、ただただ「一号線を北上」することが目的だったようだ。
なかなか作家っぽい個性的な人である。
蛇足だが昔、インタビューで「沢木耕太郎という名は本名ですか」と聞かれ、
「ペンネームです」と答えたら、「本名はなんて言うんですか」と聞き返されて
「本名言うくらいなら最初からペンネームなど使わない」
と怒ったようだが、言ってることは御尤も (-_-)。
本名でもありそうだが、たしかに「沢木耕太郎」ってペンネームっぽくちょっとカッコいい。
ちなみにオレは20代の頃にバイト仲間から
「もし自分にペンネーム付けるか、子供が出来たらなんて名づけるか」
と聴かれた時に、下の名前は『虎』に『竜』に『狼』と書いて
『虎竜狼(こたろう)』と名付けたいとマジで答えた記憶がある。
ダサダサだな・・・・。当時は本気だったけど。
バイト仲間は爆笑しながら
「なんかスクスク育ちそうな名前ですね。コタローって」 と言っていた。
おしまい。