送電鉄塔LOVE | 昭和80年代クロニクル

昭和80年代クロニクル

古き良き昭和が続いてれば現在(ブログ開始当時)80年代。昭和テイストが地味に放つサブカル、ラーメン、温泉、事件その他日々の出来事を綴るE級ジャーナルブログ。表現ミリシアの厭世エンタ-テイメント少数派主義ロスジェネ随筆集。

ふだんからフツ―に風景の一部として見慣れてしまっているけど

改めてようく見てみるとなんとも不可思議で魅力的なデザインだと思うのです。


送電鉄塔


昭和80年代クロニクル-送電鉄塔


当たり前の風景になりすぎているが、

遠くからみるとコンクリートジャングルの大地からニョキニョキと生えた

「鋼鉄の巨木」にも見えるし、

また、天を基準に見てみれば上空の1点から地上に向かい広がるように

降下してきた「結界」のようにも見えませんか?


そう、支えとなる地面に固定された支柱4点の中のエリアはまさに「結界の中」

何かPOWERが発生するように感じるわ。

1部のマニアの人や表現者の方々が題材に取り上げたりするのもわかります。


荒木飛呂彦の「ジョジョの奇妙な冒険・PARTⅣ」でも舞台となる杜王町で

送電鉄塔に住むスタンド使いが登場する話があって印象的だった。

たしか本体名は「鋼田一豊大(かねだいち とよひろ)」

スタンド名は「スーパーフライ」だったかな。

送電鉄塔の上のほうに生活用具とかをもちこんで生活してる。

荒木センセらしい独特の着眼点で面白かった。


鉄塔にも『男性型』とか『女性型』またまた『料理長型』とか形状による

いろんなタイプがあるようです。

みんな同じようにみえてそのタイプは十人十色・・・もとい十塔十色。

人間と同じです。みんな目が二つに鼻ひとつだけど性格はバラバラ。


ほんとに真下から見上げてみたりするとナンとも奇妙な視覚である。

世の中には「こういう角度」というモノが存在してたのかと30年以上生きて

知らされた。

東京タワーとかとおおまかな構造は対して変わらんと思うのに

なぜか街中の鉄塔はさほど注目されん。

皆さんも機会があれば鉄塔の近くを通った時に下から見上げてみては

どうだろうか。

※ 真下は金網で入れないことがあるのでその横あたりで。


鉄塔好きな人の物語ではこんなのがあった。

鉄塔 武蔵野線 (新潮文庫)/銀林 みのる
¥500
Amazon.co.jp

鉄塔好きの少年2人が数字の大きい号の鉄塔から数を遡って辿っていき

1号鉄塔まで行こうとする話。スティーブン・キングのスタンド・バイ・ミーを

思い出させる。


公表されてる解説で言える範囲で結果をいうと、あと数号というところで

警備だったか捜査の人だったかに確保されて強制的に帰宅させられて

しまうが、その後、2人の行動は理解あるオトナにより良い結果に導かれると

いうような、ほのぼのストーリーであったと記憶する。


本筋とはカンケーないが作者の「銀林(ぎんばやし)みのる」サンて

ちょっと珍しい名前だ・・・。


本を書く時に、よく本名や他のジャンルで使用してる名前を少し変え

ペンネームにする人がいるが、もしかして・・・


「色つながり」で銀⇔白 に 変換。

「木つながり」で林⇔木 に 変換してたとしたら作者の正体は・・・


てなもんやSAND・・・・・! いやそれは勘ぐりすぎだな(;一_一)


著者は幼少のころから「鉄塔」が大好きであったようだ。

でも、周りにそれを告白しても理解してもらえそうもないという葛藤と悩みが

あったという。


趣味や価値観なんて人それぞれだし、興味ナイ人にはくだらないモノである。

小学校の時なんて判断力がいまいちだから鉄塔好きだということを否定する

周りの反応も別におかしくない。

いや、オトナになっていてもマニアな趣味をもつ人はまだ、

けっこう偏見を持たれることが多いだろう。


オレも多分、小さいころ、この本を読んだり鉄塔マニアの人の存在を知ったら

バカにしてたかもしれない。でも今はすっげえカッコイイと思う。

その他と違う着眼点といい、レア度といい。


小学5年のころにたまに遊んだ1コ下の学年のヤツが『蛾』に興味を持っており

ムシカゴの中に入れて縁の下で飼っていた。

卒業文集かなんかにも、まわりの同級生は、

「部活の野球が楽しかった」とか

「みんなで頑張った学芸会」とか

月並みなことを書いていたが、そいつは『蛾の習性』について延々と書いていた。

「イボタガは‘熱’を吸収するから、いい蛾である』 とか。

周りの同級生は蛾になんて興味ないからバカにするどころか、そいつの作文の

話すらしなかった。気持ちワルイと思ってたのかもしれない。


当時はオレもそれを見て、半分バカにしてたが、

今、改めて思うと小学生の観点で『蛾』をテーマにするとはかなりアッパレである。

タダモノではない。


そう!


大事なのは世間の目を気にしたり、流行を意識することではない!

本当に好きなことをするということなのだ。

周りが「理解できない」とか「キモい」とか「暗い」と言おうがカンケーない。

そんな声は蹴散らしてやれ。


年齢や立場や性別やジャンルにカンケ―なく、

自分が本当に好きなモノを追いかけ、こだわるそのキモチ・・・



みなさん、いくつになっても忘れないで……