こんにちは。株式会社コルコル代表・食育カウンセラーの伊藤協子です。

 

今回は食や栄養とは関係なのですが、娘の学校でスマホの使用についての指導があったそうで、PDFを読んでふむふむと思ったので共有させてください。

 

読まれた方もいらっしゃるかもしれません。学校からの情報は2021年にベストセラーになったアンデシュ・ハンセン著の『スマホ脳』(2020) からのものでした。

 

 

 

 

 

  最新研究が明らかにした真実

 

・わたしたちは1日平均2600回スマホに触り、10分に1回手に取っている。

・10代の若者の2割は、スマホに1日7時間を費やしている 

・スマホのアプリは、最新の脳科学研究に基づき脳に快楽物質を放出する 〈報酬系〉の仕組みを利用して開発されている → 「科学の魔術化」 

・1日2時間を超えるスクリーンタイムはうつのリスクを高める

・スティーブ・ジョブズなど、世界のIT企業のCEOやベンチャー投資家たちの多くは、わが子のデジタルデバイスへのアクセスを認めていないか極めて厳しく制限している。 

・フェイスブックの「いいね! 」の開発者は、「SNSの依存性の高さはヘロインに匹敵する」と発言している

 

→いかにスマホは中毒性があるかが分かりますよね。そして、それを知っているIT企業の関係者たちは自分の子には使用を厳しく制限しているんですね。そこにまんまとハマっているのは一般消費者、スマホ世代の子どもたちというわけです。

大人は自分をコントロールし、親は子どもたちがその沼にはまらないように管理することが大切だと実感します。

 

 

  ドーパミン …人間に「何に集中するか」を選択させる人間の原動力

 

 • 報酬システムを激しく作動させるのは、お金、食べ物、承認、新しい体験そのものではなく、それに対する期待

 • 実際にメールやチャットを読んでいるときよりも、着信音が聞こえたときの方がドーパミン の量が増える。

 →「大事かもしれない」ことに欲求を感じるから。 

• しかし、人間は一度に一つのことにしか集中できない。

 

→着信音でドーパミン量が増える。わかる気はしますよね。それも研究されて開発されているわけで、子どもたちや大人はまんまとその仕掛けにハマっているということになりますね。

 

 

  大学生500人を対象にした記憶力と集中力の調査

 

大学生500人の記憶力と集中力の調査で

 A:スマホを教室の外に置いた学生 

 のほうが 

 B:サイレントモードにしてポケットにしまった学生 

 よりも良い結果が出た。

 

• ポケットにスマホが入っているだけで集中力が阻害される 

 →「スマホを無視すること」に知能の処理能力を使ってしまう。 

 

→これも理解できます。サイレントモードにしてもバイブレーション機能で着信が知らされたりするし、ドーパミン量が上がる物体がすぐ近くにある、身に着けている状況で、それを無視するのは困難の極みですよね。特に子どもたちは。

 

 

   マシュマロ実験(意志力と優秀さ) 

 

マシュマロ実験とは? 

スタンフォード大学で行われた実験。 4歳の子どもたち186人に「15分の間」、マシュマロを食べるのを我慢 したらマシュマロをもう1つあげる」 と告げて部屋を去り、その後の行動を観察。その結果、我慢して2個目のマシュマロを 手に入れた子どもは3分の1ほどで、 マシュマロを食べなかったグループは後の人生で優秀だと評価されたことが判明

• 報酬を先延ばしにできる力(=意志力)が学業や仕事において重要な能力である。

  →この力が弱いと、上達に時間がかかるようなことを学べなくなる。

スマホをよく使う人のほうが衝動的になりやすく、報酬を先延ばしにする力が弱い。 

 

→スマホを常習的に使用していると自己管理能力、意志力が低下し、学業や仕事に影響してくるというわけですよね。

 

 

  スマホが引き起こす諸問題 

 

• 情報を保存するだけで安心するGoogle効果/デジタル性健忘 

 →脳は情報そのものより、その情報がどこにあるかを優先して記憶 

• 目の前にスマホを置いていると脳がスマホを手に取りたいという衝動に 抵抗するために労力を使ってしまう。 

• 寝る前にスマホやタブレット端末を使うと、ブルーライトが脳を目覚め させ、メラトニンの分泌を抑える+分泌を2~3時間遅らせる。 

 ※スマホをベッド脇のテーブルに置いて寝た小学高校学年の児童は、置かなかった児童よりも睡眠時間が21分短かった。

 • 睡眠の悩みは特に女子に顕著。(SNSに費やす時間が女子のほうが多い) 

置いてきぼりにならないように常にオンラインでコミュニケーションが 取れる状態でいる子供たちは、ドーパミンが放出され睡眠時間が削られてしまう。対して勉強に時間を使う生徒の方が精神状態が良い。 

 

→「情報を保存するだけで満足して覚えていない」「で、何だったっけ?」みたいなことはありますね!脳が鍛えられなくなって健忘癖がついてしまうということですよね。

また、近くにスマホがあると、それを使いたい・使わないに労力を使われてしまい、他のことにエネルギーが注げないということですよね。ブルーライトのことはよく聞きますよね。でも、私もたまに寝る前に見てしまいますね。なかなかコントロールできていないと思います。

 

ただ、我が家では、スマホの使用はリビングのみ。自分の部屋で勉強するとき、寝る時は使用禁止にしています。

使う場所と使用時間のルールを子どもが小さな時から決めて習慣化していけば揉めることもありません。

よく親子間でスマホの使用について揉めているという話を聞きますが、早いうちからルールを決めておけばよかったのにといつも思います。

 

 

  SNSを熱心に利用している人たちのほうが孤独を感じている

 

• 現実に人と会う人ほど幸福感が増し、SNSに時間を費やすほど幸福感が減っていた。

 →SNSの世界では「よい人生とはこうあるべきだ」という基準が手の届かな い位置に設定されてしまい、自分は最下層にいると感じやすいため。 SNSを熱心に利用している人たちのほうが孤独を感じている 

• 自己評価が低く、自信がない人ほどSNSで精神状態が悪くなるリスクを抱えている

SNSをよく使う子のほうが人生に対する満足度が低い。 

→女子に特に見られる傾向(SNSを利用している割合 が高いため)

 

→SNSに時間を費やすほど幸福感が減っている。。。そうなんですね。。。わかる気はしますね。

SNSのインフルエンサーの世界って、本当に本当なのかな?と思うことがよくあります。人間だもの。そんなに毎日キラキラしたことばかりではないでしょうし、毎日必死なんじゃないかなと思います。そして、毎日ネタを探すのもスポンサー商品の宣伝をするのも大変ですよね。

でも、彼らは仕事だから、いろいろなものを背負って毎日期待されるイメージでの発信を続けているわけで、それを思いっきり真に受けて、自分はなんてキラキラしていない毎日なんだろうって落ち込んでしまうのは違うんじゃないかと思います。

私は以前テレビの仕事をしていたことがあるので、芸能人の方々の裏の顔も垣間見ていますが、それは皆さん大変な努力をしているし、キラキラしていない部分もたくさんありますよ。

でも夢を売る仕事、エンターテイメントを商売にしている方たちは、期待に応えるためにがんばっていて、それ相応の報酬ももらっているんです。

でも、限界を感じて続かない人もたくさんいます。常に人に見られているし、今の時代悪口も言われたりもするし、みんなスマホで撮影できるからプライベートも狙われたりもするし、自由がなかったり、精神的に辛かったり、孤独を感じたりしている方も多く思います。キラキラの表の裏の自分にギャップを感じて絶望的になったり、スキャンダルにさらされたり、裏切られたりして、悲しいニュースもよくありますよね。

だから、有名じゃないけれどインフルエンサーじゃないけれどなんだか幸せな人生とか、いろいろあっていいんじゃないかなと思います。

自分は最下層とか思わなくていいと思いますよ。そんな風に思ったらSNSを見なければいい。

遠いところにいる誰かではなく、すぐ近くにいる大切な人たち、自分の日常、自分自身を見つめて、まんざらでもないなと感じてほしいなと思います。

そして、リアルな交流はたしかに幸せホルモン「セロトニン」を増やすと言われているので、誰でもいいから、家族や友人など声をかけて会いに行ってほしいと思います。

 

 

 

  デジタルデトックスの効果 

 

• SNSの利用を30分に減らしたグループは精神状態が改善していた。

 完全にやめるのではなく、時間を制限し ただけで調子が良くなった。 

• 若いうちは衝動にブレーキをかける脳内領域が未発達 

 →スマホを手に取りたいという欲求を我慢しづらいため、若者のほうが依存症になるリスクが高い。 

• 英国の学校で生徒たちは朝スマホを預け、学校が終わると返してもらうようにしたら成績が上がった。 

 →特に成績を伸ばしたのは勉強で苦労していた生徒たち。 

• 子どもたちが能力を発揮するためには、毎日1時間は体を動かし9~11時間眠り、 スマホの使用は一日最長で2時間までにする。(うつ病のリスクが下がる) 

 

子どもたちのメンタル疾患急増の原因は食事や栄養も大いにあるでしょうが、スマホの影響もとても大きいようですね。

スマホを使い始める時期から、なるべく早めに、ルールをしっかり決めて、親や大人が管理してあげて、守ってあげたいですね。

「スマホやタブレットを与えるとおとなしくなるから」とおちびちゃんのうちからデバイスを与え続けると、どうなるか?を考えてみてほしいと思います。

 

 

  デジタル時代のアドバイス

 

1. 自分のスマホ利用時間(スクリーンタイム)を測って使いすぎを予防する。

2. 目覚まし時計と腕時計を買う (スマホを使わなくても済むことにスマホを使わない)

3. 毎日1~2時間、スマホの電源をオフにする 

4. スマホの表示をダークモードにする (色のない画面のほうがドーパミンの放出量が少ない)

5. スマホの置き場所を決め、触らない時間や空間を作る。 

 ※勉強前に少し運動すると、スマホを手に取りなくなる衝動を我慢できるようになり、集中力が増す。

  5分間の体操のような少しの運動でOK →上記を「自分で」やってみることが継続の要。 

 やるべきことは手に取りやすく、やるべきでないことは手に取りにくく。

 

→スマホの表示をダークモードにする。勉強前に運動する。実践してみたいと思います。

親がだらだらやっていたら、子どもはよーく見ていて真似しますからね。

デジタルデトックス、親子でしようと思います!

 

 

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