秋吉理香子さんの『暗黒女子』を読みました。

 

 


聖母女子高等学院文学サークルを復活させ、会長に就いた白石いつみが、新館校舎テラスから転落して死亡した。
いつみの手には、スズランの花が握られていた。
いつみの死後に開かれた定例会では、闇鍋を食べながら、会員が1人ずついつみの死をテーマにして執筆した短編小説を朗読していくことになった。



イヤミスに分類される作品なんでしょうね。
これまで、イヤミスを避けてきたのですが、実は好物なのかもと、最近思うようになってきました。

文学サークルの会員が、順番に白石いつみの死をテーマにした短編小説を朗読し、その中で犯人を指名していくのですが、作品の中では、短編小説が朗読され、会長を引き継いだ澄川小百合がコメントし、次の会員の朗読に…と、淡々と進んでいきます。
おそらく、犯人として名指しされた会員からは、否定する声が上がるでしょうし、新たに判明した事実に沸く場面もあったでしょうが、一切無視。

誰が言っていることが事実で、誰が言っていることが虚偽なのか…
犯人が1人だとしたら、その1人以外が言っていることは整合性がとれるはずなのですが、見方を変えれば…で、なかなか真実を見破ることができませんでした。
それを、最後に纏め上げたところが凄い、というか、そういう風に設計していたのでしょうが、上手く組み立てたなぁと、ほとほと感心してしまいました。

1つ気になるところとしては、闇鍋を食べながらというところが、いまひとつ物語の主軸に関与していなかったところかなぁ。
実は、この中には…なんていう、闇鍋ならではの展開がもう少し用意されていても良かったのかなって思いました。

 

 

 

 

 

 

過去の「秋吉理香子」記事

 

 

 


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