秋吉理香子さんの『絶対正義』を読みました。

 

 


ノンフィクション作家の和樹、主婦の由美子、インターナショナルスクールの副学長の理穂、俳優の麗香。高校の同級生4人のもとに、高規範子から招待状が届く。
範子は、和樹ら4人が、5年前に殺害したはずの人物。
約束の日、約束の場所で待ち受けていたのは…



正義感に溢れ、法律を行動指針としている高規範子。
氏名の真ん中を取ると「規範」となるくらい、法律に反することが許せない、四角四面な性格。
そんな"正義の味方"が、最初は頼もしくて仕方なかった4人でしたが、卒業後も付き合いを続けていくうちに、範子のそんな性格が煩わしいのを超えて、自らの人生の危機に繋がっていってしまいます。

何がきっかけで、これほど融通の利かない性格になってしまったのか?
そんなことを考えながら作品を読んでいました。

法律や正義というのは、とにかく厳密に適用するのではなく、ある程度の融通を利かせる幅がやっぱり必要なんじゃないかなと、実感。
法律の文面だけを見るのではなく、その後ろにある背景まで鑑みる必要があるのではないかと。
結局、自分が殺されてしまったら何にもならないしなぁって。

秋吉理香子さんの作品は、『聖母』に続いて2作目でしたが、こちらも面白く、一気に読めてしまいました。
イヤミスも書かれる作家さんだそうですが、確かに、この作品も後味がちょっと悪かったかな?

 

 

 

 

 

 

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