赤川次郎さんの『三毛猫ホームズの恋占い』を読みました。

 

 


女子高生の森下有貴は、占い師の立花リカから、公園のベンチに置いたハンカチを拾ってくれた人が運命の人だと言われるが、有貴が置いたハンカチを拾った人は、プロ野球で引退をささやかれる41歳の山関隆一だった。
また、有貴がハンカチを置いた公園には、3人を殺害した犯人・沢田克也を追って片山刑事も来ていた。


女子高生の恋愛という、微笑ましい雰囲気に満ちた作品になっています。
連続殺人犯という殺伐とした事件も扱っているのですが、その犯人の行動にも微笑ましさを感じてしまうくらい。
有貴と山関に気をとられていると、事件の方に置いて行かれてしまって、「あれれ」となってしまいましたが、事件の方はどうでもいいやって思ってしまうくらい楽しい作品でした。


表題作のほか、『三毛猫ホームズの朝帰り』、『三毛猫ホームズの袋小路』、『三毛猫ホームズと、ある男の死』、『三毛猫ホームズの告別式』、『三毛猫ホームズの頭痛薬』が収められています。

『三毛猫ホームズの朝帰り』
ホームズが朝帰りをするように。どうやら、村松のぞみという中学生の家に行っているらしい。
不眠で悩んでいたのぞみは、ホームズがいるとぐっすり眠れるということで、のぞみの修学旅行にホームズらも着いていくことになる。

『三毛猫ホームズの袋小路』
片山と晴美が待ち合わせたN宝石店は、雑誌で紹介されたペンダントを買おうとする若者で大賑わい。
そんな中、やはりペンダントを買いに来た田辺真子がトイレで殺害される。

『三毛猫ホームズと、ある男の死』
石垣ゆかりが目を覚ますと、同居する恋人・滝川雄一郎が血を流して死んでいた。
滝川は銃で撃たれていたが、室内からは銃弾が見つからなかった。

『三毛猫ホームズの告別式』
片山の友人の結婚披露宴の最中、新婦・ひとみがめまいを起こした。
別室で休んでいたひとみのところに、宝石店に押し入った北川徹が逃げ込んだ。
北川とひとみは車に乗って逃走を図るが、式場前の川に車ごと飛び込んでしまう。

『三毛猫ホームズの頭痛薬』
デパートの販売促進課で課長を務める室田には白血病の娘・百合がいた。
セール期間中、室田に百合が危険な状態になったと電話が入ったが、室田は売り場を離れるわけにはいかないと、現場に残る。
その室田も、時折激しい頭痛に見舞われていた。

 

 

 

 

 

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