統計データの見方 | あめのむらくものブログ

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「今日の格言・名言」と その日の出来事

帰宅中電車の中で見たスマフォのニュースアプリでのニュース
 
「群馬の中高生、2年連続ワースト その理由は」
という事でその道の分析を生業とする専門家に意見を求めた結果
1、人口1,000人当たりの自転車保有数の多さ
2、可住地100平方キロメーター当たりの学校の少なさ
以上2点から事故数が多いと分析していました。
 
問題は記事の前半部分の文章。
1万人当たりの事故件数の都道府県別比較で少ないのは、中学生は長崎県0.5件 高校生は島根県5件
(群馬県の中学生の事故件数は41件)、
高校生の事故件数は静岡・埼玉・愛知に続く4番目に悪い数字。
 
 
新聞記者と言う仕事は何かネタを見つけたら記事にしなければ仕事にならない
当然仕事である以上は数をこなす必要がありますが、ちょっと掘り下げ方が足りない!
 
まず反対側の事故の少ない県の長崎県(ここからは県庁所在地を中心に論じます)
あそこで自転車はキツイ、あの町は日本で有数の「坂の町」、山に沿って家々が立ち並んでいます
学校に行くにも「行きは良い良い帰りが怖い」で町はすり鉢の底にある町、自転車なんか乗りたくない。
島根県 松江市は以前「ブラタモリ」でも紹介されていた通り浅瀬に浮かぶ島に城を作って
周囲を埋め立てて造った城下町、背後には山が控えています。
両県に共通して言えるのは県庁所在地以外の町は山から海に流れ込む川沿いの扇状地に開けた町。
国道を走っているとトンネル抜けて町に入って橋を渡ってしばらく走るとまたトンネル(または山道)。
 
また事故の多い県の静岡・愛知・埼玉は比較的起伏が少ない
(さいたま市は特に南部の「与野」あたりはなんだかんだ言って起伏がそこそこある町ですが)
とうぜん自転車の利便性も多くなる。
海外の話ですが干拓でできた国オランダの首都を走る自転車の多くはブレーキが無いとか・・・、
今は安全上どうかわかりませんが「オランダの国土は神が作ったのではなく人が作った」と言う
話を聞いた事があります、平坦な土地は自転車がエコで手軽な乗り物なんでしょう。
 
 
日本の3/4を自分でハンドル握って走った群馬県の印象。
群馬以外の土地は川沿いに人が住み道が出来、隣町とつなぐため海岸線や山の低いところに
道を作って行き来をしていたと言うように地形が密接にかかわっていますが、群馬県はチト印象が違う。
埼玉県・栃木県との県境あたりから太田市・伊勢崎市から県庁所在地の高崎市、前橋市にかけての
利根川流域は広~い平坦な土地が広がっていて先の地形の制約を受けずに道が出来ています、
ちょうど集落を繋ぐ農道がそのまま幹線道路になったような感じ、網の目のように町が繋がっています。
(利根川を少し下った埼玉県深谷市熊谷市行田市もちょっと似てる)
このような感じなので家々は密集せず、どこかゆったりとした街並み。そんな感じなので
単位面積当たりの学校の数はおのずと少なくなって遠距離通学になってしまうのでしょう。
 
話は横道に逸れますが群馬の人に聞いた話、群馬県は「上州からっ風」と言う位冬場の季節風が強い、
そのため向かい風の時などは一生懸命自転車漕いでも前に進まないとか、だから風の強い日に
「風が強くて前に進めなかった」が授業遅刻の理由として通るとか・・・(ホンマかいな?)
 
 
統計データには数字から読み取れない事情というものがあるもので、数字のウラを読むのも面白い、
政党支持率などの世論調査データは皆さま良くご存じの通り。
 
数字にマジックは付き物です。