温故知新 | あめのむらくものブログ

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「今日の格言・名言」と その日の出来事

軍隊(自衛隊も含む)と言うものは常に昔の戦闘「戦史」を研究しています、
戦闘と言うものは使う武器が違うだけで基本的に人が考えて実行するもの
距離感と実行スピードが異なるだけで常に彼我の状況を鑑み最善の戦法を考え実行する、
特に最近の戦闘資料は「なぜ・どこがこの戦いの帰趨を決定する要因になったのか」。

これに必要な資料が「戦史」。

古くは源氏と平家の戦いから家康・信長の野戦の陣形、秀吉の攻城戦
勿論旧日本軍の陸海空戦闘の記録も。
戦闘はテクノロジーだけで決定する訳では無く自然と心理に強く影響を受けます。


前置きが固くなりましたが海上保安庁・海上自衛隊は中国船に対する・・・
あえて「戦法」と言いましょうかを過去の海戦史を改めて研究し直しているでしょう。

中国は沿岸警備の巡視船に1万2千トン級の巡視船を配備、
巡視船は海上警備の船のため武装はあまり大きくない、まあ機動隊が装備している程度の武装で
拳銃と長い警棒、拳銃は別としておおよそ相手の殺傷を目的としていない。
巡視船にしても同様で機関砲とせいぜい個人武装は自動小銃位、
機関砲はエンジンに打ち込んで足を止めるため、拳銃では射程距離が短いので小銃
(アメリカさんの研究では実際の拳銃の打ち合いは100フィート、25mプールの対岸同士の打ち合い)。

巡視船の本来の目的は日本近海の船を臨検したり
領海内に入って来そうな船の進路を邪魔して(インターセプトと言う)領海の外に追い出す、
基本的に武器を使った行為は行わないのが基本、武器を使うと全面戦争になりかねないので。

中国沿岸警備隊の新造船は武力こそ一般的な巡視船ですが大きさはケタ違いに大きい
ちなみに日本の海上保安庁の巡視船で最大の物はPLH型巡視船「しきしま」「あきつしま」で5,300トン
http://www.kaiho.mlit.go.jp/soubi-yosan/soshiki/ship/plh31.jpg
ニュースなどでご存知の方もいらっしゃると思いますが確かベトナムの船、中国沿岸警備隊の船に
体当たりを喰らって沈没しています。

大きさが倍もある相手、武器を使えない・使ってはいけない状態、
紀元前480年ギリシャ艦隊とペルシャ艦隊の間で行われた「サラミス海戦」、これと似た戦い。
古い洋画にもこのエピソードは出て来たと思います、ベンハーだったかな?
地上の戦いは相手を殴り倒すのが目的、海の上の戦いは相手を沈める事が目的
使う武器に変化はあっても最終目的はココ。



なかなか頭の良い相手なので喧嘩するにしても後々の事考えてないと大事に発展してしまう。

厄介な代物を東シナ海や南沙諸島に出して来るもんです。