H2Aロケット | あめのむらくものブログ

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「今日の格言・名言」と その日の出来事

昨日無事に打ち上げ成功となりまして、昨日の午後はどこのニュースもこれでしたね。

このロケットの打ち上げ時刻、妙に細かくて中途半端な時間と思いませんでしたか?
12月3日午後1時22分4秒、「キリ良く正午ジャストに打ち上げればいいじゃないか」とお思いでしょう。

この理由、地球と目的地の小惑星(多分月も関係してると思う、今 月は太陽から見て地球の後ろ側)
との位置関係が問題なんです。

ロケットはゆっくり上昇しているように見えますが、燃料を消費して1段目2段目を切り離して
重量が軽くなっていくとどんどん加速して行きます、最終的には秒速11.2km/s以上まで加速します。
この「11.2km/s」と言うのは重要な数値でして、これより遅いと地球の重力から抜け出せない
秒速7.9km/sで地球周回軌道に乗れる、それ以下ではそのうち落っこちて来ます。
ちなみに音速は約0.32km/sです.


地球上の感覚ではこれだけの速度を出してぶっ飛んでも実は宇宙では大した速度ではないのです、
もっと速度が欲しい。でも燃料をいっぱい積み込むとさらにロケットの大きさが巨大になり
構造物の重量が増してさらに大量の燃料が必要、思ったほど衛星本体の速度に影響しないと言う
非常にめんどくさいループに入ります。

でも加速しないと目的の星まで時間がかかってしまう、そこで考え出された方法が
「スイングバイ航法」いつかブログに載せたけどどこ行ったかわかりません。
ザックリ簡単に言うと星の重力を利用して加速と進路変更をやってしまう事、頭のいい人いるもんだ。

スイングバイの詳しい事はココ ↓ で
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%B0%E3%83%90%E3%82%A4
これが打ち上げ時間、月があってその向こうに目的の小惑星がある位置関係が非常に難しい、
地球も月も小惑星もそれぞれ違う速度で公転していて位置関係がなかなかぴったり合わない。
その計算で導き出されたのがあの打ち上げ時刻。

何でも昨日の打ち上げが延期になったらこの次のチャンスは年単位で遅れるとか・・・。



それ考えると私が中学か高校生の頃だったかな?打ち上げられた探査衛星「ボイジャー」は
火星・木星・土星・天王星・海王星とスイングバイを繰り返しながら太陽系外に飛び出しています、
一体どれ程のスピードで飛んでいる事か?