今月は、公民館他のレッスンをお休みしたり、お盆があったりと、すこしゆったりモードです。

読みたい本、読まなくちゃいけない本が溜まっているのですが、時間が出来るとついつい本棚の既読本たちをぺらぺらめくってショートトリップ・・・p■qω・´)


初版1996年なんで、20年前に出た本です。

(ちなみに著者の田中周子氏は、生活評論家の草分け、町田貞子氏のお嬢さんです。表紙のセーター人形は保育に関わる方たちには有名みたいで、有馬のおもちゃ博物館にも展示されてます!)

息子が幼児の頃から、この本にはずいぶん助けられてきました。

当時から「おしゃれで楽しい子育て」系のハウツー本に違和感を抱いていたんですが、この本は、子どもをきちんと人間として見て接する視線で描かれていて、一読して「この本は宝物になるかも知れない・・・」と思いました。

そして、息子が中学生になった今も、時折読み返しては反省したり安心したりしています。

というのは、この本は赤ちゃん~幼児の子育てだけではなく、もっと大きくなってからの子どものことも「親の背丈を抜くころ」という章にまとめられているからです。

 だいたい子どもは親が言ったようにやるというよりも、親がやっているようにやるのですね。ときどき「あなた、一生懸命勉強しなくちゃ」「もっと集中したら?」「あなた、これっていう好きなことないの?」と、その子どものことが気になって、つい言ってしまいますが、その親の生活はどうでしょうか。「母親って、いつもひとのことを言うけど、自分は?」と逆に子どもに問い返されたりもしますね。

 ふっと視線が合ったときに、「この子、大丈夫かな」と親の方から子どもを見ますが、実は子どもは子どもで身体中を目にし、耳にして、親の生活を見ていると思います。(略)子どもが中学、高校生の時期は「育てよう育てよう」と思う気持ちがつのればつのるほど、親としての自分の生活を見直す・・・それもひとつかと思います。(P96)


私たち親も、その親に叱ってもらい、話してもらいながら、おとなになるのを待ってもらってきた。その分、今度は私たちに待つ番がきたわけです。私たちも人生を完成はしていません。いつも途中です。子どもとのその時、その時、お互いの力を借りながら、それぞれの心を一緒に耕していきたい。(P97)

この本の中で私が感動したのは、親だって人生を完成してはいない、いつも途中、と言ってくれているところです。ほんの20~40年くらい人生の先輩だってくらいなんですよね。

だから、親だってまだまだ成長する可能性があるし、その必要もある。「子育て」は自身が成長するための仕事ともいえるけれど、子どもが巣立ちたがったら、手を放すことも、そんな仕事のうちなんだと思います。

この本には、こうしたエッセイだけでなく、手遊びや手仕事、工作やお料理など、小さな子どもと一緒に出来る事例がたくさん載っています。それから、田中さんが描かれた素朴なイラストがすごくかわいい!下描きっぽい素描が素晴らしいです。我が子が小さい頃に似た表情の絵なんかもあって、飽きません。

マタニティ以前の方から、お子さんが大人になった方にまで、とにかくおすすめ!

子どもの頃の心を思い出したい方にもおすすめ!

北名次のYOGAスペースに置いてありますので、お読みになりたい方には貸出しもしますよ。





via ゆとりらYOGA
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