今回は「それでも日本の財政赤字が心配だ。」という疑問の続きです。
前回の国の財政状況のおさらいをしておきましょう。国の財政はつぎのようになっ
ています。
税金などの収入は55兆円です。支出は96兆円使っています。差額41兆円は借
金です。借金は国債を売っています。国債を買うのは郵便貯金、銀行、保険会社な
どの金融機関です。金融機関にお金を払っているのは国民です。要するに日本は国
民からお金を借りているのです。そして借金を返すのは将来の子どもたちです。
こうしてみていくと、国が破綻することはありませんが放っておくこともできませ
ん。借金を支払うのは将来の子どもたちですから。
では、どうすればいいのでしょうか?
借金が増えた理由は2つあります。これも財務省ホームページからです。
ひとつは社会保障の負担が増えたことです。高齢化により毎年5000億円の医療、
年金、介護のためにお金が必要です。ふたつ目は税収が減った、つまり経済成長が
少ないということです。
1990年度と2014年度のグラフを見比べて見てください。
社会保障は1990年度11.6兆円だったものが、2014年度30.5兆円と
18.9兆円増えています。
一方税収は1990年度58兆円だったものが2014年度50兆円と8兆円下が
っています。
出口会長は明るい未来を作るために、今、日本にできることはつぎの2つがあると
おっしゃっています。
ひとつは選挙に行って投票率を70%、80%に上げる。ふたつ目は生産性を高め
て経済成長する。この2つは私たちのできることです。
どうでしょうか? 投票率40%、50%ではダメではないでしょうか? 政府は
対立するものではなく、僕たちが選ぶもの、つくるものではないでしょうか?
経済成長率もユーロ圏1.7%、日本0.9%。年間労働時間はユーロ圏1300時
間から1500時間。日本は2000時間です。日本と同じように高齢化が進んで
いるユーロ圏は生産性が高いのです。
さて、次回は「若い世代と今、年金をもらっている世代と不公平だ。世代間に年金
をもらう格差がある。」という疑問を見ていきましょう。次回に続きます。