固い話になっちゃうけど、備忘録とばかりにトランプ政策に対する個人的な理解を書き留めたいと思います。

 

1.トランプの関税政策等と各国との交渉について

 

(1)米国として短期的に必要とされる減税原資;物価高の国内情勢を鑑み、出費が織り込まれている必要経費を他国に担ってもらう事を目指す。

(2)政府予算が高金利下で以前にも増して膨らんでおり、国債の引き上先確保&引き受け条件の緩和;綱渡り状態の国債償還、発行に対する安全弁となる他国の確保を目指す。

(3)将来的な製造業の国内回帰による雇用増;関税政策によって、米国内立地を促そうとしているが、即効性に乏しい。アドバルーン的目標。トランプ政権後が見えないと全力で対応する国(企業)は少数派。但し、トランプ政権後も分断の流れは無視できないか・・・

(4)中国は仮想敵国と目しており、力を削ぐことに注力。但し、関税政策やNATOとの不協和音を続けると、敵の敵は味方的な対米包囲網として中国が仲間づくりされる事態は避けようとしているはず。

(5)更に、政策矛盾は否めないが、トランプ政策としてはドル安誘導したいと考えている。これによる輸出環境好転を目指していると考えられるが、政治的な取引材料になるかも

(6)EU各国のトランプ政権への不信は根深いが、大人のふるまいをしながらEU域内の経済環境の悪化防止+米国のウクライナ情勢への関与継続を促そうとしている。

 

2.トランプ政策と米国企業

 

(1)米国は個人消費がGDPに占める割合が日本とは比較にならないほど大きな割合を占めており、産業構成そのものがソフト化しており、所謂サービス業が主体。国内インフレによる経済失速が鮮明になりつつある。

(2)一方、製造業の中でも巨大企業は既に多国籍化しており、水平分業が進んでいる。これを俄かに国内に回帰といわれてもコスト増は避けられず、サプライチェーンの大幅見直しも必要な状況。

(3)更に、巨大テック企業に代表される事業モデルはサブスクを含めて、従来型の製造業では無いことからトランプ政策の煽りを受け業績が伸び悩む可能性あり。

(4)トランプは従来の多様性を否定したこともあり、知識層の国外退出が著しいようです。この点は、米国企業の革新性に将来的に影を落とす可能性あり。

 

3.トランプ政策とFOMC

 

(1)インフレ退治に四苦八苦しながら取り組んでいるFOMCにとって、トランプの関税政策はまさにインフレの種を持ち込むようなものであり、予断を許さない状況に陥っている。トランプからは利下げ圧力が掛かり続けるが、身動きが取れない。

 

4.トランプ政策と日系企業

 

(1)輸出企業については現地生産比率を高めるとの方針の中、短期的に関税を少しでも抑えたいところ。

(2)1項にも記載されている内容とも関係するが、輸出企業は中期的には円高を念頭に置いたオペレーションが必須となる。大手は何らかの形で米国に進出している現地工場等足場があるはずなので、今年度の経営にはインパクトがあるものの中長期的には吸収可能とみる。但し、富士重工のような輸出主体の会社はトヨタの米国工場への間借りを含めて再編の契機になるかも・・・

(3)また、無いとは信じたいけど、日銀金利誘導による円高施策を取った場合は株安、債券安は避けられず、もう少しでデフレ脱却かという状態を台無しにしちゃうかも・・・

(4)防衛面はGDP比3%を目指す事が求められる可能性があり、所謂防衛関連銘柄は業績が上向く可能性がある。国内の主要企業は近日まではかなり人気株だったような気もしますが・・・

(5)中国との付き合い方に横やりが入る可能性がある。中国のスパイ疑惑による邦人拘束以降は大きく路線は転換した企業は多いと思うが、中国市場そのものの規模は大きいので業績への影響が大きい。

 

5.個別日系企業の例

 

あまり細かくは書けないけど、うちの会社もトランプ対策というか世界経済の減速対策等検討を続けています。短期的には、米国内生産するものは米国内で消費するものの生産にシフトしていこうとしています。但し、技術移転が難しい高度なものは人の育成を含めて厳しいみたいです。きっと、製造業の日系企業も既に米国内の拠点を拡充する方向で調整しようとしているとは思います。

また、為替についてはトランプ政権はやはりドル安に持っていきたいと考えられるとの話が米国在住の要員から説明がなされ、今年度の経営数値の折込には困難さが伴うようです。

かつての中国拠点もそうであったのですが、基本は輸出拠点ではなく、国内需要向け生産拠点になりましたから似たようなものなのかもしれませんね。

 

さあ、これを踏まえて対応策を考えなきゃ・・・出来ることは少ないかもしれませんが・・・