『赤毛のアン』再訪。 第67回目: クイーン学院の冬とアヴォンリー帰省時のアンの願い。
アヴォンリーからの学生たちは毎週末、カーモディーまで敷設された鉄道に乗って帰って行った。アンたちにとって、一週間でいちばん楽しい大切な時間だった。
帰り道、ギルバートは、アン以外の女の子とは楽しそうに会話を楽しんでいるのだがアンに話しかけることはなかった。
アンは、ギルバート・ブライスのような友人と話したり、笑ったり、人生の野心について意見を交換したいものだと思っていた。
[英語原文] Page 392, line 7 from the bottom.
※ But she thought that if Gilbert had ever walked home with her from the train, over the crisp fields and along the ferny byways, they might have had many and merry and interesting conversations about the new world that was opening around them and their hopes and ambitions therein(そのもの). Gilbert was a claver young fellow, with his own thoughts about things and a determination to get the best out of life and put the best into it.
Ruby Gillis told Jane Andrews that she didn’t understand half the things Gilbert Blythe said; he talked just like Anne Shirley did when she had a thoughtful fit on and for her part she didn’t think it any fun to be bothering about books and that sort of thing when you didn’t have to.
Frank Stockley had lots more dash and go(打てば響く), but then he wasn’t half as good-looking as Gilbert, and she really couldn’t decide which she like best!
In the Academy Anne gradually drew(描く) a little circle of friends about her, thoughtful, imaginative, ambitious students like herself. With the ‘rosy-red’ girl, Stella Maynard, and the ‘dream girl’, Priscilla Grant, she soon became intimate(親密な), finding the latter pale spiritual-looking maiden to be full to the brim mischief and pranks(悪ふざけ) any fun, while the vivid, black-eyed Stella had a heartful of wishful dreams and fancies, as aerial and rainbow-like as Anne’s own.
[単語・語句の意味]
crisp(さわやかな):ferny byways(シダの間道):merry(愉快な;参考、Merry Christmas!):opening(待ち受ける):hopes and ambitions(希望と野心): therein(そのもの、その中、その点で):determination(決意、決断力):get the best(最良を得る):put the best(最高の物を注ぐ):thoughtful(思いにふけった): fit on(襲われる):for her part(~については、~に関しては):bothering(悩ます:Don't bother me.うるせーんだよ。):dash and go(活気がある、打てば響く;注意、ピンポン・ダッシュの意ではない):good-looking(格好良い、スマート):drew(描く:時制、draw, drew, drawn):rosy-red(ばら色の): intimate(親密な):spiritual-looking(気高い見かけの) :maiden(乙女、女の子;発音、メイドン;記憶方、明電高校の女の子):brim(あふれそう:アホな記憶方、脳 (brain) から溢れそう(brim)): mischief(いたずら、ちゃめ):pranks(悪ふざけ):fun(戯れ、ふざけ):heartful(心豊かな):wishful(希望):fancies(空想):aerial(空気感;発音注意、エィリアル) :own(独特な)
[日本語訳]:今回は、村岡花子訳を提示してみます。
ページ483、7行目。
※ しかし、アンはもしギルバートが汽車から家までいっしょに歩いていってくれたら、気持ちのいい野原やしだの茂る小径をぬけながら、自分たちの新しい世界のことや未来の抱負について楽しく語りあえるのにと思った。 ギルバートは賢く、ものごとにたいして自分の意見をもち、人生の最良のものをとり、また自分の最良のものを与える意志をもっていた。
ルビー・ギリスはジェーン・アンドリュースに向かい、「ギルバートの言うことは半分もわからない、ちょうどアンが何かを考えこんだときに言うのとおなじことを言う。あたしは必要のないときに本やそんなことに頭を使うのはつまらないと思う。
フランク・ストックリーのほうがずっと気楽で元気があるけれど、惜しいことにギルバートほどスマートではない、自分はどちらがよけい好きなのか決められない」と言った。
学校では、アンはやがて小さなグループをつくった。皆アンとおなじように頭のいい、想像力に富んだ、野心にあふれた学生ばかりだった。 ばら色の頬の少女、ステラ・メイナードとも、「夢見る少女」のプリシラ・グラントとも親しくなった。精神的なようすのプリシラがいたずら気でいっぱいであるのに反し、きらきらした黒い目のステラのほうはアンとおなじような静かな夢や幻にみちた性質だった。
[三人の翻訳の比較]
But she thought that if Gilbert had ever walked home with her from the train, over the crisp fields and along the ferny byways, they might have had many and merry and interesting conversations about the new world that was opening around them and their hopes and ambitions therein. Gilbert was a claver young fellow, with his own thoughts about things and a determination to get the best out of life and put the best into it.
MI参考訳:
しかし、彼女は思うのだった、もしギルバートが汽車を降りての道すがら、自分と一緒に さわやかな野辺やシダの茂る小径を歩いてくれたとしたら、二人の前に広がる新しい世界や、夢や希望についてのたくさんの楽しく興味深い会話をすることができたかもしれないのにと。 ギルバートは、物事に対して自分の意見を持った賢い若者で、人生から最良を得て、人生に最良を注ぐ決断力を持ち合わせていた。
(MI:Manual Intelligence)
⦿村岡花子訳:丁寧できわめて自然。
しかし、アンはもしギルバートが汽車から家までいっしょに歩いていってくれたら、気持ちのいい野原やしだの茂る小径をぬけながら、自分たちの新しい世界のことや未来の抱負について楽しく語りあえるのにと思った。 ギルバートは賢く、ものごとにたいして自分の意見をもち、人生の最良のものをとり、また自分の最良のものを与える意志をもっていた。
△松本侑子訳:訳の粉飾が気になる? は違うかも。
とにかく駅からの道中をギルバートと一緒に歩き、すがすがしい野原をこえ、羊歯のしげる小道を通って帰ったら、どんなにかたくさん、愉しく興味深い話ができるだろう。 たとえば、二人のまわりに開けている新しい世界について、その世界でふくらむ二人の希望、将来の夢について。
ギルバートは賢明な青年で、物事に対して自分なりの意見というものを持っていた。そして、人生から最良のものを引き出して、そこから最良の収穫を自分の人生にとりいれようと心に決めていた。
△中村佐喜子訳:少し不正確? ここではまず、駅で列車を降りて欲しかった。
もし、この秋の丘をこえ、しだの下草の径を行く間ギルバートが一緒に歩いてくれたら、互いの希望や野心にみちる未知の世界の事柄について、どんなに楽しい会話ができるだろうと考えるのである。ギルバートは自身の考えを持ち、人生から最上のものを取るとともに最上のものを与えようとする、聡明な青年だ。
[塗り絵:double-fall?]
[使用書籍]
1.Anne of Green Gables (Puffin Classics) ペーパーバック – イラスト付き, 2008/9/11
英語版 L. M. Montgomery (著)
2.赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫) 文庫 – 2008/2/26
ルーシー・モード・モンゴメリ (著), 村岡花子(訳)
3.赤毛のアン (文春文庫 モ 4-1) 文庫 – 2019/7/10
4.赤毛のアン (角川文庫) 文庫 – 1957/11/30
モンゴメリ (著), Lucy Maud Montgomery (原名)
中村佐喜子(翻訳)
