『赤毛のアン』再訪。 31回目:アン、ダイアナの妹 ミニー・メイ救命のお礼にとバリー夫人から夕食に招待される。

 

昨夜の活躍でアンは昼ごろまで眠っております。 そのあいだ、バリー夫人がアンにお礼を言うためにグリーン・ゲイブルズに来たのですが、アンがまだ眠っていると聞きマリラにお礼とアンへの伝言を伝えて引きあげました。

 

 

アンは眠って起きてきて、早速マリラに連続質問です。

 

ねえ、首相を見てきた? どんな顔の人?

素敵な人だった?

マリラ「・・・・・

そのことより マシューから聞いたよ。咽頭炎の処置をあんたが知っていたんだってね

 

マリラは、もっとアンに話したいことがあるのですが、アンの食事が済むまではと耐えております。アンが興奮するに違いありませんので。

 

 

 

[英語原文] Page 201,  line 10.

  ‘Mrs Barry was here this afternoon, Anne. She wanted to see you, but I wouldn’t wake you up.  She says you saved Minnie May’s life, and she is very sorry she acted as she did it that affair of the currant wine.

 

She says she knows now you didn’t mean to set(たくらむ) Diana drunk, and she hopes you’ll forgive her and be good friends with Diana again.

 

 You’re to go over(伺う) this evening if you like, for Diana can’t stir〈活動する〉 outside the door on account of a bad cold she caught last night. 

 

Now, Anne Shirley, for pity’s sake(お願いだから) don’t fly clean up into the air.’

 

    The warning seemed not unnecessary, so uplifted and aerial was Anne’s expression and attitude as she sprang to her feet, her face irradiated with the flame of her spirit. 

 

                                            

[単語・語句の意味]

acted(行った):that affair(あの事件): currant wine(葡萄酒、スグリ酒):mean(意図する):set(たくらむ):forgive(許す):go over(伺う):stir〈活動する〉:on account of(~のため):pity’s sake(お願いだから):clean up(大掃除;参考、野球の3-5番、クリーンナップ:unnecessary(無用の):uplifted(揚げる):aerial(空中の:発音、エリアル:attitude(態度):irradiated(照らす)

 

 

 [日本語訳]:今回は、村岡花子の訳を提示してみます。

ページ253、後ろから6行目。

 

「昼すぎにバーリーの奥さんがみえたのだよ、アン。あんたに会いたがんなすったけれど、わたしはあんたを起こしたくなかったのさ。 

 

奥さんが言いなさるにはミニー・メイの命をたすけたのはあんただって。それであの葡萄酒の件であんたにあんな無礼をして申しわけない。あんたがダイアナをわざと酔わせるつもりじゃなかったことがいまになってわかったから、どうかあれは水に流してもう一度ダイアナと仲よくしてもらいたいものだと言いなさるんだよ。

 

よかったら今晩あんたが行くことになっているんだよ。 ダイアナがゆうべ、ひどくかぜをひきこんだので、一歩も外へ出られないもんでね。 

 

これ、アン、後生だからそう有頂天にならないでおくれ」

 

この注意はむだではなかった。 天にものぼるような表情とかっこうでアンはぱっと、とびあがり、顔は心から燃えあがるよろこびで光り輝くばかりだった。

 

 

 

[三人の翻訳の比較]

  The warning seemed not unnecessary, so uplifted and aerial was Anne’s expression and attitude as she sprang to her feet, her face irradiated with the flame of her spirit. 

 

参考訳:

 その警告は無駄ではなかったようで、アンの表情や態度といったら、まるで空に舞い上がりそうなほどピョンピョン飛び上がり、顔は魂の炎で輝いていたのだ。

 

◎村岡花子:アンは、実際に飛び上がっている。注意⇒警告。

 この注意はむだではなかった。 天にものぼるような表情とかっこうでアンはぱっと、とびあがり、顔は心から燃えあがるよろこびで光り輝くばかりだった。

 

○中村佐喜子:実は、一番上手な翻訳?

 そう注意したくなるのもむりなかった。アンがとび上がった時の様子といったら、まったく興奮して、宙にまい上がりそうだし、胸の炎で顔を輝かせていたからだった。

 

▲松本侑子:アンは、実際に飛び上がったのでは?

 そういう警告をしておかなければならなかったのだ。何しろアンは、興奮して宙に浮かばんばかりになって立ち上がり、心の喜びの炎に、顔中を輝かせていたのだ。

 

 

 

[使用書籍]

1.Anne of Green Gables (Puffin Classics) ペーパーバック – イラスト付き, 2008/9/11

英語版  L. M. Montgomery ()

 

2.赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫文庫 – 2008/2/26

ルーシー・モード・モンゴメリ (), 村岡花子(訳)

 

3.赤毛のアン (文春文庫  4-1) 文庫 – 2019/7/10

LM・モンゴメリ (), 松本 侑子 (翻訳)

 

4.赤毛のアン (角川文庫文庫 – 1957/11/30

モンゴメリ (), Lucy Maud Montgomery (原名)

中村佐喜子(翻訳)