第42回:「赤毛のアン」 リンド夫人、ギルバートがアンのために学校を譲ったことを語る。

 

マリラは新しい人生が始まったようだと喜びます。 アンは近隣のカーモディーに下宿して教えるつもりでいたところ、リンド夫人が意外な知らせをもたらせます。

 

 

 

 [英語原文]

 

‘I guess you’re going to teach right here(正にここで) in Avonlea. The trustees(理事:発音、トラスティー(ズ) have decided to give you the school.’

 

‘Mrs Lynde!’  cried Anne, springing to her feet(ぱっと立ち上がる) in her surprise.  ‘Why, I thought they had promised(契約する) it to Gilbert Blythe!’

 

‘So they did.  But as soon as Gilbert heard that you had applied for(申し込む:申込票、application form it he went to them – they had a business meeting(仕事についての会合) at the school last night, you know – and told them that he withdraw(辞退) his application, and suggested that they accept yoursyour applicationの略)

 

He said he was going to teach at White Sands.  Of course he gave up the school for you to oblige(恩恵を施す) you, because he knew how much you wanted to stay with Marilla, and I must say(~と言わねばならない) I think it was real kind and thoughtful (思いやり) in him, that’s what(まさにそれ)

 

Real self-sacrificing(自己犠牲), too, for he’ll have his board(下宿) to pay at White Sands, and everybody knows he’s got to earn(かせぐ;発音、アーン his own way through college(大学を終わるまで).’    

 

 

※:Noblesse oblige:「貴族の責任:ノゥブレス・オブリージュ」「高い地位にある者は、それなりの責任、恩恵を果たすべき」ということを意味する語句。

 

 

[日本語訳]

 

「アンはここアヴォンリーで教えることになるだろうよ。 理事会はあんたに学校をまかせることにきめたんだから」

 

「リンドのおばさん!」アンは叫び、驚いて立ち上がった。 「まあ、理事会はギルバートと契約したのに!」 

 

「そうだよ。でもギルバートは、あんたが教職に申し込んだと聞くや、すぐに理事会にでかけたんだよ。 昨夜、学校で会合があったからね。 それでギルバートは、自分は申し込みを取り下げると言ってね・・・・アンを採用してはどうかと提案したんだよ。 

 

自分はホワイト・サンズで教えるつもりだと言ったそうだよ。  もちろんあんたの願いをかなえるために、アヴォンリーをあきらめたんだよ、アンがどんなにマリラと暮らしたがっているか、知っているからね。 あの子はほんとに親切で思いやりがあるよ、そう言わねばなるまいよ、まったくね。 

 

しかも、ほんとの自己犠牲だよ。 なにしろ、ホワイト・サンズじゃ、下宿代の支払いがあるんだよ。 知っての通り、彼は自分で稼いで大学を出なきゃならないからね」

 

 

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そんな時、バリーの家のほうで光が点滅しております。

そうです、子どもの時と同じ、ダイアナがアンに、話があるからすぐに来て、という合図なのです。アンは、早速ダイアナの家へと駆けだします。

 

リンド夫人は、「まだずいぶんと子どもっぽいところもあるんだね」と言って笑います。

マリラは言いかえします。「ずいぶんと言うのなら、女らしいところの方が多いよ」

 

 

 

[使用書籍]

1.英語で楽しむ赤毛のアン (CD1枚付き) 単行本(ソフトカバー) – 2014/7/18

L・M・モンゴメリ (著), 松本 侑子 (写真, 翻訳)

 

2.赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫) 文庫 – 2008/2/26

ルーシー・モード・モンゴメリ (著), 村岡花子(訳)

 

3.赤毛のアン (文春文庫 モ 4-1) 文庫 – 2019/7/10

L・M・モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)

 

4.赤毛のアン (角川文庫) 文庫 – 1957/11/30

モンゴメリ (著), Lucy Maud Montgomery (原名)

中村佐喜子(翻訳)