第37回:「赤毛のアン」 アンのギルバートに対する、純粋に勉強での対抗心。

 

アンの目標は教員免許をとって1年間でクイーン学院を卒業すること。 そして、英文学の最優秀者に与えられるエイヴリー奨学金を勝ち取り、大学に進むことです。 最後の卒業試験が近づき、アンは奨学金獲得をめざして猛勉強しております。

 

 

                       Anne's dream.

 

 [英語原文]

 

After the Christmas holiday the Avonlea students gave up going home on Fridays and settled down to(身を入れる) hard work.  Certain(明白な) facts had become generally accepted.  It was admitted(認める、受け入れる) that the medal contestants(受賞者) had practically(実質的に) narrowed down to three – Gilbert Blythe, Anne Shirley, and Lewis Wilson; the Avery scholarship was more doubtful (確かでない), any one of a certain six being a possible winner.

 

Anne worked hard and steadily.  Her rivalry(競争心) with Gilbert was as intense as it had ever been in Avonlea school, although it was not known in the class at large(一般に), but somehow the bitterness had gone out of it.  Anne no longer wished to(もはや思っていない) win for the sake(目的;aim と同じ) of defeating Gilbert; rather, for the proud consciousness of a well-won victory(立派に闘って勝った;won、 winの過去・過去分詞)over a worthy foeman(敵). It would be worth while〈価値がある:worthwhile と表記する方もいます〉 to win, she no longer thought   life would be insupportable(耐えられない) if she did not. 

 

 

 

[日本語訳]

 

クリスマス休暇が終ると、アヴォンリーの学生は金曜日ごとの帰省はあきらめ、本腰を入れて猛勉強にうちこんだ。 明らかな事実が、みんなに受け入れられるようになっていた。メダルの競争者は実質的に三人に絞られたことが認められたのだ、すなわちギルバート・ブライス、アン・シャーリーそしてルイス・ウィルソンだ。エイヴリー奨学金は、もっと曖昧だった、六人ほどの中の誰かに受賞の可能性があったからだ。

 

アンは一心にたゆまず勉強した。 ギルバートへの競争心は、かってのアヴォンリー校のころのように激しかったが、クラスでは広く知られてはいなかった。 しかも、どういうわけか、競争心から苦々しさが消えていた。アンはもはやギルバートを打ち負かすために勝ちたいとは思わなかった。 むしろ、申し分のない敵を相手に、立派に闘って勝利して、誇りに思いたいのだった。勝つことに価値はあるだろう。だが、もし勝たなかったとしても、生きるのも耐えられないと思うことはもはやなかった。

 

 

―――――――――――――――――――――――――――――――

このシーンの結末?

 

ギルバートは、優等生の「金メダル受賞者」に選出され、アンは、待望の「エイヴリー奨学金」を授与されることになった。

 

 

 

 

アンは、赤毛をからかったギルバートを憎んでいましたが、彼が理性的であること、そしてカナダ本土への大学進学を考えていることを知り、同じ夢を持つ同志として、ギルバートへの気持ちが変わっていきます。

 

 

余談:

ルビー・ギリスは、学年でいちばんの美人とされた(教員2年課程)。 一方、教員1年課程では、ステラ・メナードが美女の栄冠をものにしたが、少数派の目の高い生徒たちからは、アン・シャーリーを押す声がきかれた。

 

 

-------------------------------------------------------------------------------------

 

 

1年前の今日、わたしが upload したブログです。

 

1年前の今日あなたが書いた記事があります

『JET STREAM』(ジェット・ストリーム)という ラジオ深夜番組ご存知ですか?

------------------------------------------------------------------------------- 

 

 

使用書籍

英語で楽しむ赤毛のアン (CD1枚付き) 単行本(ソフトカバー) – 2014/7/18

L・M・モンゴメリ (著), 松本 侑子 (写真, 翻訳)

 

赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫) 文庫 – 2008/2/26

ルーシー・モード・モンゴメリ (著), 村岡花子(訳)

 

赤毛のアン (文春文庫 モ 4-1) 文庫 – 2019/7/10

L・M・モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)