第34回:「赤毛のアン」 クイーン学院の女子学生。

 

A Queen’s Girl

 

グリーン・ゲイブルズではアンのクイーン学院への進学準備で大忙しです。新しい服もマシューがたっぷり仕度しました。さらにマリラもまた・・・・。

 

マリラの、服に対するポリシーが180変換しております。

 

 

[英語原文]

 

Anne’s outfit(衣装一式) was ample and pretty, for Matthew saw to(~に気を付ける) that,  and Marilla for once(この一度だけ) made no objections whatever(少しも意見を言わない) to anything he purchased or suggested(服について何かを言いだす:.  More – one evening she went up to the east gable(アンの部屋の事) with arms full of a delicate pale green material(布地).

 

‘Anne, here’s something for a nice light dress for you. I don’t suppose you really need it; you’ve plenty of pretty waists(夫人の胴衣:衣装のこと); but I thought maybe you’d like something real dressy to wear if you were asked out(仮に、よそに招待されたら) anywhere of an evening in town, to a party or anything like that. 

 

I hear that Jane an d Ruby and Josie have got“evening dress”(当時、正式にはevening gownと呼ばれていた), as they call them, and I don’t mean you shall be behind(引けを取る) them. 

 

 I got Mrs Allan to help me pick it in town last week, and we’ll get Emily Gillis to make it(エミリー・ギリスに仕立ててもらう) for you.  Emily has got taste(良い趣味), and her fits aren’t to be equaled.’

 

‘Oh, Marilla, it’s just lovely, said Anne.  thank you so much.  I don’t believe you ought to beすべきだ:表現ニュアンス、むずかしい? so kind to me – it’s making it harder every day for me to go away(離れる).’  

 

 

 

[日本語訳]

 

アンの衣装は十分にあり、きれいだった。というのも、マシューが見立てたからだ。 マリラも今度ばかりは、彼が何を買おうと、何を言い出そうと、まったく反対しなかった。 さらに・・・・ある夕方、繊細な淡い緑色の生地を、両腕いっぱいにかかえて、東の切り妻屋根の部屋へ上がってきた。

 

「アン、あんたの薄物のドレスの生地だよ。本当はいらないかもしれないがね。きれいな服が十分あるんだから。 でも町で、夕方、どこかにお呼ばれしたら、ちゃんとした正装のような服がほしいだろうと思ってね。 

 

ジェーン、ルビー、ジョーシーは、「夜会服」とやらを仕度したと聞いてね。 あんたに引けを取らせるつもりはないよ。 

 

先週、アラン夫人の助けをかりて、町でこれを選んできたんだよ。仕立てはエミリー・ギリスに頼むよ。あの子は趣味がいいし、身体にあう仕立てにかけちゃ、並ぶものがいないよ」

 

「まあ、マリラ、とてもすてきね」アンは言った。 「本当にありがとう。こんなに親切にしてくれなくてもいいのに。家を離れるのが、日に日につらくなるわ」

 

 

 

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これまでのマリラでしたら、パフ・スリーブは布の無駄使いと考え、飾り気のない服を縫って、アンをがっかりさせました。しかし、ここでは、フリルたっぷりの優雅な「夜会服」を用意します。

おしゃれを解するようになったマリラの内面の変化、アンへの愛情を行動として表せるようになったマリラの成熟が感じられます。

 

 

 

 

使用書籍

英語で楽しむ赤毛のアン (CD1枚付き) 単行本(ソフトカバー) – 2014/7/18

L・M・モンゴメリ (著), 松本 侑子 (写真, 翻訳)

 

赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫) 文庫 – 2008/2/26

ルーシー・モード・モンゴメリ (著), 村岡花子(訳

 

赤毛のアン (文春文庫 モ 4-1) 文庫 – 2019/7/10

L・M・モンゴメリ (著), 松本 侑子 (翻訳)