第28回:「赤毛のアン」 小川 と 河 が出会うところ

 

Where the Brook and River Meet.

 

Where  ~するところ: Brook 小川

 

受験クラスに入ったアンは、学業、野心、感情、思想の面で成長していきます。

 

 

若者の社交の場、討論会、パーティー馬車での遠出にも出かけ15歳の娘として活動の場も広がりました。 アンがときおり外出することにも、マリラはもう以前のような反対はしなくなっております。そんなある日・・・・・・。

 

 

[英語原文]

Between times(合間に) Anne grew, shooting up(急に背が伸びる) so rapidly that Marilla was astonished(びっくりする) one day, when they were standing side by side(並んで), to find the girl was taller than herself.

 

‘Why, Anne, how you’ve grown!’  She said, almost unbelievingly.  A sigh(ため息) followed on the words.  Marilla felt a queer(奇妙な) regret over Anne’s inches(背丈:複数形で)

 

The child she had learned to love had vanished(消えた) somehow(どういうわけか) and here was this tall, serious - eyed girl of fifteen, with the thoughtful brows(眉、額) and the proudly poised(構える、保つ;poise 安定/参考;よく知っているポーズ(pose)と似ております little head, in her place.  Marilla loved the girl as much as she had love the child, but she was conscious of(~という感情) a queer, sorrowful sense of loss(喪失感)

 

 

 

[日本語訳]

 

その間にもアンは成長した。あんまり急に大きくなったので、ある日、マリラは二人で並んで立っている時、アンのほうが背が高いことに気が付いて、はっとした。

 

「おやまあ、アン、何と大きくなって!」マリラはほとんど信じられない様子で言った。 その言葉に溜め息が続いた。アンの身長が伸びて妙な哀惜の思いを感じたのだ。 

 

マリラが愛することを学んだ子どもがいつの間にか消えてしまい、その代りに、この背が高く、真剣な眼差しをした15歳の少女が、思索的な眉をして、小さな顔を誇らしげにかかげていた。 マリラはこの少女を、かって可愛がった子どもと同じように愛していたが、不思議なことに悲しい喪失感を覚えたのだった。

 

 

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タイトルのWhere the Brook and River Meet.は19世紀、米国の詩人ロングフェローの詩『乙女 Maidenhoodの一節です。

 

Where the brook and liver meet. 小川と河が出会うところ / Womanhood and childhood fleet! 女らしさと子どもらしさが流れていく!」とあり、「小川と河の出会うところ」とは、子どもから女性への変換点とわかります。

 

モンゴメリはこの章題で、少女から女性へと心身ともに変わっていくアン を表しています。

 

 

使用書籍

英語で楽しむ赤毛のアン (CD1枚付き単行本(ソフトカバー) – 2014/7/18

LM・モンゴメリ (), 松本 侑子 (写真, 翻訳)

 

赤毛のアン 赤毛のアン・シリーズ 1 (新潮文庫文庫 – 2008/2/26

ルーシー・モード・モンゴメリ (), 村岡花子(訳)