村上の『カンガルー通信』、そこにある意味がわかりましたか? どんな短い物語にも、何らかの語るべき主題はあります。

 

 

軽い神経症的に、奇数、一角獣、を嫌い、  偶数、特に「2」を愛する男の話です。

 

 

※:さっそく、おまけの話(英語)です。

偶数:even number

奇数:odd number   「odd の発音は「アッド」です、「オッドではありません。

      つい、「オッド」って発音しますよね。私は、そうでした。

 

 

「カンガルー日和」という類似の名前の短編集をご存知の方のために:

 

この『カンガルー通信』にも『カンガルー日和』で登場した匹のカンガルーは出てきますが、最初にちょっとだけです

 

 

あの、生まれて間もない子どもカンガルーを含む、匹のカンガルー親子のことです。ただ、この『カンガルー通信』は本物のカンガルーとはあまり関係ありません。「偶数」:安定という意味で、少しだけ関係するかもしれませんが・・・・・。

 

 

『カンガルー通信』は、僕の所に苦情の手紙をくれた若い女性、そして彼女に返信をだすことにした、主人公である僕の物語です。

 

 

[ものがたり]

 

僕はデパートの商品管理部門にいる苦情処理係。実に色々な苦情が来て、その処理にあたっております。その中の一つに女性からの苦情ともつかない、購入した商品に関する経過報告のような手紙がありました。僕は、彼女の手紙にある【過剰なゆらぎ:1/f or 1/f2乗、不定見】に魅せられます。

 

その手紙には読点(カンマ)が、無原則にちりばめられており、ほんとは何を伝えたかったのか、苦情なのか、賞賛なのか、ステイトメント:主張なのか、それともお願いなのか、全くわかりません。 話は、あっちへ行ったり、こっちへ来たり、読む者を引っ張り回すのです。

 

でも、僕にはその手紙が好ましいものとして、心に沁みるのです。不思議なもんです。

 

【上記の文章にも読点が無原則・無定見に散りばめられてますね、そうです、こんな文章、のことです。 それから、前にもどこかで書いたかもしれませんが、(恐ろしいことに)かなり最近まで、「句読点」「句点」「、」で、「読点」「。」だと認識してました。字面のヴォリュウムから、そう判断しておりました。本当です。当然、小学校、中学校(高校は忘れましたが)での評価はコンスタントに[3]でした】

 

『カンガルー通信』:主人公がデパートに出社する前に、たまたま、動物園でカンガルーの親子を見て来たということで、苦情の手紙をくれた女の子に出す書簡(カセット・テープですが)に名づけた名称です。書簡にも何か名前があるとカッコいいでしょ?

 

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『カンガルー通信』の意味は?

 

もし我々の前に提示された道が一本道だとしたら、あなたはそれをどう思うでしょう。おそらく、うんざりすることでしょう。

 

たとえその一本道が、紛うことなき幸せへの道だと確約されているにしても。

 

私(おそらく、我々の多く)は、そんな道を忌避、あるいは嫌がり後ずさりするでしょう。 ましてそれが、ある種の独裁体制(例示はしませんが)のもとだとしたら、という注釈がつくと、答えはより一層明確なものになります、たぶん。

 

 

この『カンガルー通信』で村上が言いたかったのはそういうことだと思います。

 

 さらに最も重要な事を、村上は言います僕は同時にふたつの場所にいたいのです。これが僕の唯一の希望です。それ以外には何も望みません」

続けて僕は個でありながら、原則でありたいのです。そうです、恋人と寝ながらあなたと寝たいのです

 

ある意味(ある意味でなくとも)実にいい加減なのですが、村上が『カンガルー通信』で言いたかったのは、

 

「選択肢のない人生は、 クリープを入れないコーヒーのようなものだ !! ・・・そういうことだと思います。

 

 

くどいですが:

我々の前には常に選択肢が必要なのです。一本道、それがどんなに素晴らしい道だと確約されていたとしても、です。

 

 

 

※:「クリープを入れないコーヒーなんて・・・、大谷選手の出ない大リーグの試合のようなものだ」というのは昭和48年(1973年)に始まったコーヒー用乳製品「クリープ」の森永乳業のCMと、大リーグでの大谷選手の活躍を、安易に結びつけたものです。 Needless to say ですけど。 

ところで、 昨日の、2本(偶然、偶数です)のホームラン14号、15号、特に2本目の音が凄かったですね・・・・。

 

それから、まさにNeedless to sayかもしれませんが、 安倍首相の奥様の昭恵(あきえ)夫人は、森永製菓創業家の血筋。わたしは、知りませんでしたけど・・・。

Exactly、NHK「世界は知らないことであふれてる」鈴木亮平 & JUJU & 三浦春馬さん、ですね。

  

 

 

[使用小説]

中国行きのスロウ・ボート (中公文庫)

村上 春樹  | 1997/4/18

 

カンガルー日和 (講談社文庫) 文庫 – 1986/10/15

村上 春樹 (著), 佐々木 マキ (イラスト)