僕は基本的にモノを集めない性格だ。
沢山のコレクションを持つクセは
小学校での昆虫採集時期で終わったと
思っている。
あれが終わるきっかけになったのは、
一年ぶりにフタを開けた時。
強烈なニオイが鼻を直撃した。
かなりクラっと来た事を覚えている。
コレクション癖がなくなったのは
それ以来かもしれない。
ムダに沢山集めようとするのは
ヤメようと多分自分に誓っていたのだ。
ところが、最近妙な収集癖が出てきた。
2年前3・11。
SF映画みたいな事が現実に起きた。
僕の家は3日位で電気が復旧したので、
まだまだ苦労は少なかった。
断水もしなかった。
オール電化だったのでお風呂も焚けた。
とりあえず、ガスが止まっている御近所さんや
親戚の方々へお風呂提供ができて
嬉しく思った。
気心知れる知人が側にいるだけで
こちらも癒された。
寄り添う事の大切さを学んだ。
そして、有事の際に欠かせないのは水だと思った。
それ迄はリサイクルゴミに出していた
ペットボトルが空く度、コツコツと
水を入れ、空き部屋へ置くようになった。
水はあって不足はない。
飲み水としてではなくても
体を拭くだけで気分は変わる。
そう言えば昔、東京に1人暮らしを
していた頃、僕の部屋はかなりダラしなかった。
あまり掃除をしない性分だった。
その部屋に同級生の友達が
上京し、泊まる事になった。
彼は、皮パンツ(ズボン)を履いていた。
さすがに皮パンでは寝苦しかったのだろう。
僕に「何かスウェットかジャージみたいなもん
ないのか?」
と聞いてきた。
僕が着ているスウェットしかなかった。
他にあるのはトレーナー1着だけだった。
彼は「まぁいいか・・。」と言いながら
トレーナーをズボンのように履いた。
当然、股間の部分はトレーナーの首の穴。
そこで彼は「この姿・・。親が見たら泣くだろうな・・。」
・・とつぶやいた。
朝方、起きると彼はいなくなっていた。
書置きに「やっぱり帰ります」
彼にとって僕のその当時の部屋は
有事だったようだ。

