バンドを長く続けるのは、とても大変なこと…と思います。アマチュアでさえ大変なのですから

プロという契約と金銭が伴う世界では、なおさらです。

 

ZIGGYというバンドがあります。全国的ヒットとなった「グロリア」は

50代なら誰もが聞いたことがあるでしょう。

バンドのヒストリーは、他のWEBに任せますが、40周年&ボーカリスト森重樹一さんの

バースデーライブに参加しました。

場所は大手町 三井ホール。ビジネスビルともいえる場所で、ロックコンサートには

不釣り合いに見えますが、地方からの参戦ファンもいることを考えると、なにげに

便利な場所だと感じます。

 

ライブは撮影、録音が出来ませんから、私のような素人のレポートでは、事足りないのは

承知の上ですが、記録に残しておきたいライブでした。

 

 

実は森重樹一さんを10代から知っています。つまりZIGGY前から。

10代からのバンド活動、デビュー前、デビュー後、いっときの辛い時期も

メンバーが流動した時期も、つまり同じ時代を重ねてきた自分としては

40周年は本当に感慨深く、大変な偉業だと感じるのです。

しかも彼は「ボーカリスト」です。楽器演奏者であれば、音色さえ変わらなければ

フレーズが違っても許されますが、ボーカリストはそうはいきません。

 

ロックボーカリスト・・・は作られたイメージが先行します。

森重さんは、数年前のテレビ出演で、そのイメージを自ら解放しました(と思っています)

自転車で移動し(つまり誰の目にも触れる)、自らの状態を毎日ブログでカミングアウトし

赤裸々な毎日を綴り、それに反応するファンは、家族同然、彼の日常を知っています。

 

そんな親し気な雰囲気が、そのままステージに再現されている温かな雰囲気でした。

600名近い観客全員が、ZIGGYのリビングに招待されているかのようなリラックスした雰囲気の中

セットリストはまさにヒットパレード。

私は最後列にいましたが、その周囲でさえ腕をあげ、全曲を歌い続け居ている仕事帰りであろうビジネスマン。

40年前には生まれていないだろう30代と思しき女性たち。いや、どこでZIGGYに触れたのか、不思議な20代。

私のように50年弱、彼を見てきた身としては、不思議な光景が周囲にありました。

 

けれども、そんな老若男女をひとくくりとして、ロックンロールショーに引き込むパワーが、今のZIGGYには

あると思いました。

バンドとしての完成度は、40年の中で最善と言えるのではないかと思います。特に加藤タローさんのギターと

チャー坊さんのドラムとキャラクター。今日は髪が赤くなっていたトシさんと堅実なプレイが安心の佐藤さんも

昔のナンバーから新曲まで、ZIGGYそのものであり、他の説明は不要だと思います。

 

なにより森重樹一という存在の奇跡。元来優しい彼は、音楽を求めてきただけ、なのだと。数多のエピソードは

あれど、音楽人とは「目指す音楽を求め続ける人」でしかないのだと思います。

 

ゲスト 武田真治さん(びっくりした)のサプライズもあり、和やかな時間を挟みつつ、2時間を超えるライブは

最後まで温かな空気でした。

 

私と一緒に参加した友人も、森重さんと同級ゆえに、勇気をもらい、さらに頑張ろうと約束した、大手町の夜。

台風来京の前で開催できたことも良かった。

 

そして、まだZIGGYに触れたことが無い若者へ。特にバンドをやりたいな、と思っている高校生くらいに

聴いてほしい。音楽は楽しく、自分たちでも演奏できるんだよ、と体感することが出来ますから。