見事アカデミー賞に輝いた「おくりびと」

私は昨年、ひとりで拝見した。


映画の宣伝とは、実に難しい。予告編で全部を見せるわけにはいかないし、どうでもよいシーンを流すわけにも

いかない。その点で「おくりびと」の予告編や、事前告知は実に考えられたものだったと思う。


さすがに放送作家 小山薫堂氏の息がかかったもの・・・だと思う。


ストーリーの詳細をここに書くのは愚直だと思うので略すとして、この映画の意義のひとつは「葬儀」に対して

誰も描かなかった切り口を実現したことにあると思われる。

実は私も10数年「葬儀部門」を持つ会社に勤務していたことがあるが、(もっとも私は婚礼部門だったが)葬儀は

旅立ちの儀式として、実に気高く、文化的なものである。

結婚式と最も異なるのは、準備期間が短く、主人公である「人」(=故人)に決定権がないことだ。

ゆえに、一番身近にいた家族が、その決定を行い、まさしく故人らしい儀式と、お世話になった方への感謝を

伝える、とても短い時間が「葬儀」であると考えている。


一般的には、準備するものではないが、それでも近年は生前葬があったり、散骨の希望があったり、スタイルが多様になったのだろう。それもこれも「故人の遺志」が認められてきたのかも知れない。


「おくりびと」のストーリーの秀逸さは、これからもいろいろな方が思い思いに書くであろうし、そもそも映画というエンターテインメントなので、感想に正解もなく、分析もあまり意味をもたない。

それでも私があえて感想を記すならば、俳優陣の演技がナチュラルであったこと。

特に広末涼子さんの演技は、やはりテレビでは納まらない、スクリーンに値する方だと思う。

もちろん、本木さんもだが。


テレビでしか「見れない」俳優さんって、思いのほか多いと思ってしまうのだな、こういう映画を見させてもらうと・・。