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日本代表  1-0  サウジアラビア代表

ボール支配率2割強というデータからも見てとれるように、今までのサッカー日本代表の戦いぶりを見る限りでは、かなり特異な形での勝利になりましたね。
一昨年に行われたワールドカップロシア大会欧州予選のプレーオフのセカンドレグ、イタリア対スウェーデン戦を彷彿させるような戦いぶりだったように思われます。
いわゆる「守り勝ち」というやつですね。

実際、
【なんだよこれは、今日の日本代表は一昨年の欧州プレーオフでのスウェーデン代表や一昔前のイタリア代表のアジア的超絶劣化バージョンみたいじゃないか。
そういや、かなり昔のサウジアラビア代表もこんな感じだった頃があったよな…
こうなったら最後までネチっこく守って完封してくれ】
と思って苦笑しながら昨日の日本代表の試合を観ていました。
私からみれば、あえて相手にボールを持たせているような感がありましたね。相手がボールを支配しているわりには、ゴールに迫られているような感じではなかったように見えましたし。


あまりにもボールを持たれすぎ&攻められっぱなしな、一見無様な日本代表のパフォーマンスに批判の声も挙がっているようですが、
私見としては、
【あれはあれでアリではないか】
と考えます。
確かに、ボールを奪った後にきちんとボールを収められず&こぼれ球をことごとく相手に拾われるなどして、効果的なカウンター攻撃がそれほどできなかったこと等は反省材料にはなるでしょう(元々日本代表はああいう試合展開になった場合のマネジメントが概ね拙劣な傾向がありますし、主審のジャッジもかなり酷かったですけどね)。
しかし、今までの日本代表にとっては特異な形で、しかもサウジアラビア代表という難敵相手に公式戦の肝心な場面で勝利を収められたという結果を残したことはむしろ、ポジティブに捉えていいと思います。
また、ああいう風にあえて相手にボールを持たせて割り切った形での戦略を完遂できたことも評価していいと思います。相手の心理を考慮すれば、自分達が圧倒的にボールを支配していて、いきなりファーストシュートをズドンと決められたら、かなりダメージが大きいですし、時間がたつにつれて焦ってくるのが人情ですので。かなり昔の、経験値がそれほどなかった頃の日本代表であれば、あのまま相手の圧力にズルズルと呑み込まれて同点に、ひいては逆転されていた可能性も低くないと思いますし。
更に、イラン代表と対戦することになった場合にも同様の試合展開になることが十分にありうる以上、その予行演習的な意義もあったのではないか、という見方もできます。


試験で例えるならば、
【難問といわれている類の問題に対して、最低限のポイントを外さない、いわゆる「守りの答案」を食らいついて書き切って、なんとか及第点をもぎとった】
という感じでしょうか。
難関といわれている試験になればなるほど、良い結果を出すためには、上記の戦略を完遂することもかなり重要になってきます。
つまり、昔の日本代表ならば上記の場面でアタフタしてグチャグチャな答案を書いて落第点をとっていた可能性が高いところを、それほど出来が良くないながらも一応は「守りの答案」を書けたという点では一定の評価はできるのではないかと考えます。


〈参考〉
サッカー版「守りの答案」の非常にわかりやすい具体例