私はビルの一階まで行き、エレベーターの案内にどう書いてあるのか確認してみただけだけど、
スタジオがあった階まで行ってみた人もちらほらいて、
「壁がぶち抜かれて廃墟みたいになってる」
らしいです。
二週間も経つと。
自分が本当に必要としているもの、時間やお金の使いどころを再検討して、
みんなそれぞれ歩き始めていて、
何だかあのスタジオに家みたいに通っていたことが幻か何かのようにぼんやりとしてくるものです。
あのスタジオがあり続けたら、
きっとそのまま通い続けて踊って汗かく毎日を楽しく送っていたのかもしれないけど、
やっぱり
一晩を境にそれが強制的になくなって、
何でも良いから自分で次の展開に踏み込んでいかなければならなかったという今の状況は、
もしかしたら不幸なことでは無くって、
こびりついた埃をはらってヤスリで磨いて、
新しいペンキを塗り始めるのと何だか似ているような気もするのです。
手を握りしめていたら
目の前にあるものを掴むことができない。
手を開いて
いつでも受け取れるようにしていよう。