私は仕事中に空腹を感じることは滅多になく、休憩は職場の近くを延々と散歩するのが習慣になっている。
気分転換に、雨でも雪でも台風でも必ず外出するようにしていて、時々はドトールに入って220円の珈琲で一服したりしている。
今メインにしている客先は繁華街にあって、近くの大型マーケットは品揃えも品質も私にとって完璧だ。彼が生きていた頃は私の料理を楽しみにして、月に一度は私の部屋を訪れていた。その当時の休憩時は必ずマーケットに行って、次に作る料理を考えながら食材をチェックしていた。彼が死んでからは悲しくて、そのマーケットに足が向かなくなっていた。
今日は何となく思い立って久々に行ってみる気になった。
野菜コーナーに初めて見る大きく立派なキノコが、4個入って税抜で398円。《本しめじ》と表示されている。新発見だっ(#^o^#)
これは素焼きにして軽く塩とカボスを絞ったら美味しいかもぉーっ♪
バター醤油でソテーでもきっと美味しいぞぉーっ♪
彼が喜ぶだろうなぁ(*^^*)
そんなことを考えながら、そのまま手に取ってレジに向かってしまった。
レジに並ぶ寸前に我に返って、彼を喪っている現実に茫然とする。
何やってんだよ、私。。。
余計なことして悲しくさせてどうするんだよ、私。。。
作ってあげたかった料理もまだまだあるのに、もうそのチャンスは二度とない。彼がきっと喜ぶだろう食材を見つけたのに、もう買う理由がない。
涙が溢れて、たまらずエスカレーターを駆け上がった。
きっと今回だけじゃ済まないだろう。
この先も、こんな勘違いと思い込みで何度も何度も泣くんだろうな・・・
彼に作って大喜びしてくれた料理は、もう何ヶ月も作っていない。このままじゃ料理の腕も錆びてしまうのに、あまりにも悲しくて作ることができないままになっている。こんな日常の些細なことで、彼が最愛の人だったと改めて思い知られて、失意と虚無感に飲み込まれてしまう。
衝撃のないジワジワと湧き上がる喪失感も辛いもんだね(T.T)