作家---村瀬治兵衛(治庵・嘉門工藝)の沢栗乱挽銘々皿 | 物語のあるうつわと暮らし彩るレシピのご紹介

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物語のあるうつわと暮らし彩るレシピのご紹介-村瀬治兵衛(治庵・嘉門工藝)



作家---村瀬治兵衛(治庵・嘉門工藝)の沢栗乱挽銘々皿



様々な漆器を作られていますが その中で 「沢栗」のシリーズの一つ。


しおりには、「栗は水に強く 明快な木理(モクメ)が強く出る美しい素材です。経年変化の味わいに優れ使い込む程に見事な栗色飴色に色付き風合いを増します。治兵衛漆器では岩手山から吹く寒風に耐えて育った山栗を使用しておりますが、大径木は少ないため素材としても大変価値の高いものです。三代 治兵衛」とあります。


取り皿や盛り皿などとしてサラダ、パスタ、刺身などにも使えそうで、実際手に取ってみると とっても軽いのですが、 色や形からはがっしりした、落ち着いた風格のようなものを感じられます。また、洗剤でゴシゴシ洗えるほどの硬質にできています。




●村瀬治兵衛(治庵・嘉門工藝)(ムラセ ジヘイ・ジアン)のプロフィール


昭和三二年 本名 治、東京に生まれる


昭和五十年 東京都立芸術高等学校卒業


昭和五五年 東京造形大学彫刻科卒業

      代々の家業である木地師、塗師に従事す


平成元年頃~  全国各地で展示会など開催



【削ること ハツルこと 】


昔の木地師たちは、先祖代々、山に入り良い木を選ぶとその場で切り倒しました。そして、作りたい茶器や菓子器・盆などの大体の形に荒取りしてから籠にしょって里に下っていました。荒取りしたばかりの木は滴るほど水分をふくんでいる為、チョウナやナタという大きな刃物で、ざくざくといらない部分を大胆に削りとり、なるべく軽い形にして運びその後 長い時間乾燥させてから轆轤にかけて挽いていました。 今回の茶器はその荒取りを生かしきった形をめざしました。意図的なデザインではない、ただ削るという単純さはかえって力強さを魅力的に生み出しました。


【継承】


初代治兵衛にあたる祖父は名古屋で、4~5代、続く木地師の家に生れました。

腕の良さを示すものとして、向こうが透けて見えるほど極薄挽きを得意とする木地職人でした。家には、祖先らが自由に森に入り木を切ってもよいという許可状が伝わっています。

素地まででは満足せず、木地にぬりを施し、漆器としての完成品を目指していた頃、魯山人と出会いました。

名古屋の祖父の仕事場でのこと、魯山人が漆を塗ることもたびたびあり、轆轤を挽く祖父のすぐ傍にたち、魯山人の息がかかるほど近くで指導を受けたと聞いています。

その指導により、治兵衛の特徴となるざんぐりした“はつり“を生かすこと、薄挽きの中に大胆さがある作風が創られたのです。

有名な名古屋の八勝舘という料亭で、魯山人、料亭主人、祖父の三人が工芸談義など、さまざまな興味深い話をしていたことを当時の女将がなつかしく話して下さいました。


その後、東京の料亭などからの注文が多くなったため、転居することとなり、私は東京でうまれました。

祖父・父・叔父ら大勢の職人によって工房は営まれ、父に治兵衛をゆずった祖父は、陶芸である茶碗の制作にのめり込みます。庭に窯を築き手探りで、樂茶碗を焼きはじめました。何度も失敗を重ねるなかで、幸運なことに、少しずつ人様の目にとまるものができました。

当時、小山富士夫氏、大河内風船子氏などとの酒宴を家ですることが多く、子供だった私は寝る場所がなく、よく押し入れで寝ていた事を思い出します。祖父は堅物で、ヘンクツな面もあったようですが、あたらしいものが好きで、酒宴のたびに紀伊国屋などで、外国の食材を買い込んだりしていました。そして、松永耳庵氏など、御数寄者の茶会で祖父の楽茶椀をお使いいただくこととなり、それがきっかけで、茶碗に表・裏両千家の御箱書きをいただくこととなりました。

そうした折に、本業はうるしなのです、とお伝えし、漆器にも御箱書きをいただくことができるようになりました。


今日では、「うるしや」がなぜ、茶碗をつくっていたのか?という質問をよくいただくので聞き覚えのあることを少しずつ残したいと考えています。



●漆と木の展示室 村瀬治兵衛工房「治庵」



漆と木の展示室があり、昭和27年よりこの地で工房を営んでおります。

恐れ入りますが、展示室は 小さいためご予約制でございます。


〒154-0011東京都世田谷区上馬5-27-3

TEL.03-3421-6887

FAX.03-3419-1400


http://jihei.com/



(上記の記事などは村瀬治兵衛氏のホームページより引用しました)




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