私が子供の頃(50年前の話! )、カレーライスを作ると言うと、カレー粉を使って自分でルーを作るか、あるいは市販のルーを使うなら、後にも先にも1種類しかなかったの。(かなり山奥のど田舎に住んでいたってのもあるけれど...爆)
それが私が小学生の頃になると、あらゆる食品メーカーから思考を凝らしたカレールーが売られ始めました。リンゴと蜂蜜入り、手を触れずに投入できるルー、フォンドボーを使ったルー、などなど。物心ついてからずっと食べていた唯一のルーは、見向きもされなくなった。
先週末、また鶏皮が冷凍庫に溜まって来たので、いつもの鶏皮カレーを作ることに。ジャワカレーを買いに行ったら、幼少の頃の唯一のルーが、パッケージも新たに売られているではないか。しかも、ジャワより100円も安い!ってことそれを使いカレーを作りました。
カツカレー
鶏皮でカレー???と不思議がられそうですが、これ、本当、旨いんだ!
貧乏だから鶏皮も粗末に出来なくて料理に使うってのもあるけれどさぁ、それだけが理由じゃないの。以前は我が家のお決まりだった牛すじカレーも、最近ではめっきりご無沙汰。だって、牛すじを使って作るカレーよりずっと旨いからよ。
時間をかけて鶏皮の処理をし、ワイン、リンゴ、トマトピューレ、それに西洋料理のメソッドでブーケガルニも浮かべ、いつも通りに手の込んだカレーを煮込みました。
そして、パッケージこそモダンに変身したとはいえ、懐かしいブランドのカレールーを加えました。が、次の瞬間、目ん玉が飛び出しそうになった!
どんだけターメリックを使ってんだ!カレーが黄色すぎ!!!
あっ、でも、私の子供の頃のカレーって、現代のカレーと違って確かにこんな黄色いカレーだった!給食で週に1度登場するカレーなんか、黄ばみ過ぎです!ハイター漂白してください!な、まっ黄っ黄だったし。
最近のルーで作るカレーは褐色だよね。それに慣れ過ぎているからだと自分に言い聞かせ、黄ばみ過ぎのルーを念入りに溶かしました。
で、懐かしい味のカレーはどんなか知らんと味見すると、西洋料理の煮込み風に、手を加えるだけ加えて作ったカレーなのに、うぅぅぅっ...
ま、ま、まままま、不味い!
どうひいき目にコメントしても、うぅぅぅっ...駄目だ!ま、ま、まままま、不味い!
このカレーを旦那に食べさせたら、また辛口のコメントが返ってくるに違いないと思った私。考えられるスパイスや調味料すべて駆使し、なんとか味の修正を図りましたが、結果は無駄な抵抗。
カレーの不味さを誤魔化せないなら、せめて旦那の好きなカツカレーでと思い、とんかつ用の豚肉を2枚買って来て揚げました。
カレーの不味い味にアップセットした私。カレーのお供の福神漬けもラッキョウも買い忘れたワン。 自家製隼人瓜のキューちゃんと、オーガニックの沢庵で誤魔化し。
高給取りの頃の旦那なら、間違いなくぼろっかすにコメントする味のカレーでしたが、収入ゼロという引け目か、一口食べ、もっと婉曲な、でも結構グサッとくるコメントをしてました。
「これでも外で食べるカレーライスより数倍美味しいよ!でも、たった100円の節約なら、その100円、他のもので節約して、これからはジャワカレーでカレーライスが作ってほしいなぁ...」だって。
仰る通りです!他の物で100円節約し、これからは迷わずカレーはジャワカレーで作ります。
一般日本人と同じように、私がまだカレーライスが好きだった頃、母がこのメーカーのルーで作ってくれるカレーライスが大好きだった。
でも、思い出はやっぱり大切に記憶の中だけにとどめておくほうが良いね。現実にもう一度...なんて欲張ると、今回の私のような大失敗をすることになりまする!