KFCなビスケットを焼いたら、やっぱりメインのこれを作らねば話になりませんよね。


フライドチキン!


世間には“KFCを自宅で再現”と言うレシピは沢山ありますが、恐らくこれ以上KFCに近いフライドチキンを自宅で揚げた人はいないと私は思います!これはカーネルの秘密のスパイスを分析、調合したミックスを使い、ユニークな調理法で揚げたフライドチキンです。


KFCなフライドチキン

クッキングリッシュの会

残念ながらこのスパイスは、私が研究し調合したミックスではございません!


KFCを自宅で再現したいと思うのは日本人だけではないんです。本場アメリカでもやはり人々の関心のようで、そのアメリカに一人、KFCのスパイスを分析し限りなく近いミックスを自宅で再現して、本にまでしちゃった人がいるんです!


2年ほど前、まだこのブログ初めてすぐの頃です。イギリスの新聞ガーディアンのオンラインニュースが、その著者・ロン=ダグラスの考案したミックスと調理法を取り上げ、本当にKFCの味に近いものであるのかどうかを実験しました。


その時のガーディアンの記事はこちら (英語)です。このリンクにアクセスすれば、動画でその実験風景、調理の手順などを詳しくご覧いただけます。


うちは夫婦してそう言う話題で非常に盛り上がる家庭。その時、とうとう我が家でも実験してみることになりました。


ただ、ダグラス氏が考案したミックスと言うのには、恐ろしいほどの量のMSGが含まれており、私はそれに怯えて、MSGフリーのガーディアンが独自に考案したガーディアンフライドチキン、略してGFCミックスで、調理法だけダグラス氏考案のものでチキンを揚げました。


ところでMSGとは、Monosodium Glutamate(モノソディアム・グルタメイト)の略で、日本語に訳すとグルタミン酸ナトリウム、いわゆる旨味成分・化学調味料のことです。


MSGに関しては賛否両論。絶対使いたくないと言う人も少なくないけれど、私自身は、はっきりした根拠もないのに頭から拒否するのではなく、せっかく料理を作り美味しく食べれるならば使いたいと考えている人。


医学から科学、なんでも熟知している旦那も、この私に意見に同意。私は旦那を100%信用している人なので、そうなるとますます危険感がなく、だから我が家では料理に旨味をつける意味で、和洋問わず必ず愛用します。


しかしその化学調味料愛用者の私を、どんびきさせる量の化学調味料がダグラス氏のKFCミックスには加えられていたんです!


フライドチキン2回分とは言え、大さじ2の化学調味料は、誰でもどんびきするでしょう!(笑)それじゃまるでアメリカの中華やインド料理店並!そこまで使えば舌もしびれるし、体に異変もでるやろうって!(爆)


ちなみに余談ですが、MSGを頭から毛嫌いする雨人が、あそこのレストランはとても美味しいと勧めてくれて行ってみると、美味しい理由がすぐに分かるんですよね。大概、科学調味料を使いすぎってほど使っています!


料理そのものは全く美味しくないんです!でも、半端じゃない量の化学調味料の旨味が、雨人の舌にこの料理は旨いと言う錯覚を起こさせているだけなんです。化学調味料愛用者で正しく使っている私や、白人には珍しく舌の肥えた旦那のことは、だまそうと思ってもだませません!(笑)


話は逸れましたが、KFCなビスケットにはやっぱりKFCなフライドチキンが食べたかった私は、今回は、以前MSGの量に恐れどんびきした、ダグラス氏考案のKFCミックスを使ってチキンを揚げてみることにしたんです。


但し、やっぱり大さじ2杯のMSGはどうしても私には躊躇われ、そこで、化学調味料は1/6くらいに減らし、代わりに甘味で旨味をカバーするのに砂糖を加えてみました。


さて、ダグラス氏考案のKFCミックスとその調理法とはいかなるものか。今回は前回GFCミックスで揚げた時よりも写真も沢山撮ったので、手順ごとにもう少し詳しくご紹介したいと思います。


まず調理は前日から始まります。骨付きの鶏肉(もも、ドラムスティック、手羽など)の黄色い脂肪分などを取り除き、鍋に入れて牛乳をひたひたに加えます。今回私はもも(ドラムスティックを省いた部分)2つとドラムスティック4本で牛乳は約500ml使いました。

クッキングリッシュの会

このまま一晩チキンを冷蔵庫で牛乳につけます。私は12時間漬けました。


翌朝、このチキンと牛乳の入った鍋を火にかけます。蓋はせず、煮立ってきたら火を弱めてことことと20分煮ます。20分煮たら火からおろし、蓋を戻して夕方調理するまでそのまま漬けておきます。

クッキングリッシュの会

チキンは牛乳で煮ると、上の写真の様に見るも無残な汚い姿になりますが、全く気にせず調理を続行しませう!(笑)


チキンを再びつけている間に、ダグラス氏考案のスパイスをミックスを作りましょう。


今回はブログにガーディアンのニュース記事のリンクを貼っているので、英語の苦手な方の為に日本語にして、そのダグラス氏のミックスの分量を記したいと思います。


<ダグラス氏考案のKFCミックスの材料>

オレガノ...小さじ1
チリパウダー...小さじ1
セージ...小さじ1
バジル...小さじ1
マジョラム...小さじ1
こしょう...小さじ1
塩...小さじ2
パプリカ...小さじ1
オニオンソルト...小さじ1
ガーリックパウダー...小さじ1
化学調味料...大さじ2


私はこの味の素の大さじ2を加えるのがどうしても躊躇われ、そこで、他のスパイスは上通りの分量にし、味の素は小さじ1/2(少々という量に押さえています!)だけ加え、その代わりにグラニュー糖を小さじ1加えました。


これらのスパイスをスパイス用のミルか、スパイス用すり鉢に入れてよく擦り混ぜ合わせます。そうして出来上がったのがこちらのミックスです。(写真は2回分です。)

クッキングリッシュの会

そして夕方、いよいよ晩御飯にKFCなフライドチキンを揚げます!


チキンを牛乳の中から取り出し、キッチンペーパーで軽くパッティングして汚れと余分な水分を取ります。チキンを茹でた牛乳はリンク先の記事の動画でも勧めているように、こして余分な脂肪を取り除きチキンスープを作るのに使えば良いでしょう。

クッキングリッシュの会

小麦粉1カップに調合したKFCミックスの1/2を入れよくかき混ぜます。残りの1/2は次回のフライドチキン用に保存です。


チキンを茹でた牛乳とは別に150mlほど新たに牛乳を準備。KFCミックスを加えた粉をたっぷりまぶしたチキンをこの新しい牛乳につけ、そしてもう一度ミックスを混ぜた粉を全体にたっぷりまぶします。この粉の2度付けがあの分厚目のカラッとした衣に揚げるコツ!

クッキングリッシュの会

この粉→牛乳→粉の作業は、揚げ油が十分温まり揚げれる段階になった頃合を見計らって行うと良いでしょう。粉をまぶして放置しておくと、牛乳の湿りが粉に染み込みべっちょり重い衣になってしまいます。


そしていよいよ揚げです。揚げ時間は10分くらい。大きい泡が小さくなり、音が静まってからさらに2~3分しっかりと揚げます。

クッキングリッシュの会

ちなみに、ミックスは仮に市販のから揚げ粉を使っても、チキンを一度牛乳で煮るこの調理法は、中までちゃんと火が通っているか知らんと心配する必要もないし、骨付きの鶏肉をから揚げにするには絶対にお勧めです!


KFCなフライドチキンに、KFCなビスケットと来たら、やっぱりチップスとコールスローがないと、KFCなセットミールにはなりません。チップスは市販の冷凍オーブンチップスを焼いただけのものですが、コールスローは手作りです。

クッキングリッシュの会

ではいよいよあKFCミックスで揚げたフライトチキンの味見タイム。いかがなもんでしょうか、旦那ちゃん?


う、う・ま・い!う・ま・い!旨すぎるっ!!!


このフライドチキンは、揚げ物好きな男なら、絶対に旨いを連発し、バーバリアンのごとくかぶりつくはずです!


味は、本家のKFCと全く同じではありません。それは私も認めます。その理由は化学調味料をケチったからかもしれないけれど、それにしても、ここまで旨いミックスを考えてくれたダグラス氏には、足を向けては眠れませんと言う位の旨さです!


残念ながらこのKFCミックスの方は、日本では簡単に手に入らないスパイスか幾つか含まれています。私が日本でこれを試すのを断念したのは、MSGの量に躊躇したのも理由ですが、スパイスが手に入らなかったからなのです。


でも、ガーディアンが考えたGFCミックスは日本でも材料が揃います!調理法は全く同じで、やっぱり本家KFCの味とは全く同じではないものの、今回のKFCミックスよりも、本家のミックスよりももっと上品な旨いフライドチキンに仕上がりますので、是非試してみてください。


ちなみにGFCミックスでチキンを揚げた時の記事はこちら です。


ビスケットはオーブンで食事前に焼きなおし温めたんですが、バターをつける?と旦那に聞いたら、コールスローをのっけて食べるから要らないって。このコールスローの味はKFCのとはずいぶん違うと指摘されました。理由、甘くないからだそう。(爆)

クッキングリッシュの会

もち、旦那はKFCのコールスローより私の作るコールスローのファン。この日もビスケットにたっぷりのせて食べていました。私のコールスローのレシピはこちら です。


そしてその旦那はこうも言いました。どう考えてもアメリカのビスケットはスコーンでしかないけれど、今晩のこれは間違いなくビスケットだと。


ビスケットとはフランス語で、“2度焼いた”と言う意味があるから、温めなおすのに2回オーブンで焼いたビスケットは真のビスケットってことです。(笑)

各国料理(レシピ)へ