我が家は豆類を献立に使うことが殆どありません。体に良いのは分かってはいても、豆は種類に拘わらず味がボーリングなので、パンチのある味を好む夫婦には受けないのです。


メキシカンレストランに行っても、付け合せの豆をサラダに替えてもらったり、替えられないと言われたら載せないでくれと頼む夫婦が、1つだけ豆料理で大好きなものがあります。しかもボーリングじゃないパンチのある味です。(←私の作るのは!)


フムス

クッキングリッシュの会

最近は日本でも売っていたり、自宅で作る人も多いこのお料理は、地中海から中近東の国々で、昨日のドルマデスなどと共にメインコースを食べる前に出てくる、メッツェには欠かせないディッシュの1つです。


主な材料はチックピー、日本語にするとひよこ豆です。


茹でたひよこ豆をフードプロセッサーでペースト状にし、その中ににんにく、オリーブオイル、レモン汁、調味料、それに“練りゴマ”を加えた豆サラダです。


このペースト状の豆サラダをピタブレッドにたっぷりつけて食べるんですが、美味しいのにあたるとこればっかり食べ過ぎて、メインが登場する頃には、お腹いっぱいでもう何も食えまへ~~ん!ってことも度々。(笑)


私が初めてこれを作ったのはまだイギリスに住んでいる頃のこと。私の大好きな英料理家・ディリアスミスのレシピに忠実に従って作りました。


それを中近東出身の友人に食べさせると、美味しいけれどこうすればもっと良くなると、彼の母ちゃんのフムス・つまりおふくろの味を伝授してくれました。以降私のフムスは、ディリアのレシピに中東の母ちゃんのおふくろの味がミックスされたものになったのです。


いつもは乾燥ひよこ豆を一晩水につけて作るのですが、一昨日は急にドルマデスのお供にこれを作ることにしたため間に合わず、初めて缶詰のひよこ豆を使って作ってみました。味付けに関してはいつも作っているものと同じです。


<材料 3~4人分>

缶詰のひよこ豆...1缶
にんにく...大2かけ
水...大さじ2~3
オリーブオイル...大さじ2
レモン汁...1~1.5個分
塩...適宜
ケイエンペッパー...適宜
味の素...適宜
タヒニ...大さじ3


<作り方>

1.ひよこ豆をざるにあけ流水で綺麗に洗う。

2.1とタヒニ以外の材料をフードプロセッサーに入れ、ペースト状になるまでプロセスする。

3.2にタヒニを加え再びプロセスする。味見をし、必要に応じて調味料を足す。またペーストがあまりにも固すぎるようであれば水も追加し柔らかくする。


出来上がったフムスを皿に盛り、大さじ1~2のオリーブオイルをかけて、ケイエンペッパーをまぶせば出来上がり。


さて、上の材料の中で出てくる“タヒニ”と言う、日本では聞きなれない名前のもののお話です。


記事の初めの方で、フムスとは『茹でたひよこ豆をフードプロセッサーでペースト状にし、その中ににんにく、オリーブオイル、レモン汁、調味料、それに“練りゴマ”を加えた豆サラダ』と書きましたが、タヒニとはその練りゴマのことなんです。


日本や中国、韓国で使う練りゴマとは違い、タヒニは同じ練ゴマでも外皮を取り除いたゴマを練ったものです。その為口に入れた時にアジアの練りゴマより苦味が少ないんです。


イギリスやアメリカでは普通にスーパーで売っているんですが、日本ではこれもかなり入手が困難な輸入食品の1つです。(葡萄の葉ほどではなく、麻布や田園のナショナルなどでは売っているし、ネットでも買えます。)


もし、日本の練りゴマを代用してフムスを作ろうと思われるのであれば、まず最初は上のタヒニの分量の半分か1/3の練りゴマを加え、味を見ながら必要に応じ追加された方が良いでしょう。


タヒニと同じ量の日本の練りゴマを入れると、恐らく苦味が強くて美味しくないと私は思います。


この前は失敗し堅すぎたピタブレッドでしたが、今回は美味しく出来ました。ただ、いつもは2次発酵させないのに、今回試しにやってみると、生地が台にこびりついて剥がれず、なんとも歪な形のピタに焼きあがってしまいましたが...(滝汗)

クッキングリッシュの会

中東の友人から伝授されたフムス作りのコツとは、質の良いガーリックをたっぷり入れて辛味をつけるってことでした。


有機野菜を売る店で売っているにんにくをたっぷり使うと、確かににんにくの辛味にケイエンペッパーのホットな風味が混ざり合って、フムスの味は倍にも3倍にも美味しくなります。

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ちなみに乾燥ひよこ豆から作るレシピはこちらにあります。Cpicon フムス

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