昨日旦那と義母は、“はじめてのおつかい”にコストコへ行きました!(爆)


本来なら幼稚園の子でも親に頼まれたものをちゃんと買って来るお使いですが、金銭感覚ゼロの一卵性双生児母息子。(笑)余分なものを買わず、私の頼んだものだけを買って来るかどうか心配で仕方ありませんでした。


私の恐れた通り2つ3つ余分な物を買って来てはいましたが、とりあえず初めてのお使いとしては、80点上げてもよい結果でした。(笑)


私が頼んだものの中には丸鶏も含まれていました。日曜はイギリスでは肉の塊を必ずと言っていい程ローストする日。英国人二人の為に、今日の日曜日私はロースチキンを準備するつもりで丸鶏を頼んだのです。


今回のローストはいつもとはちょっと趣向を変え、こんな風にしました。


ポットローストチキン

クッキングリッシュの会

ポットと言うと日本ではぞうさん。印の魔法瓶を思い浮かべますが、ポットには英語で“深鍋”という言う意味もあります。その言葉通りに、深鍋に丸鶏を入れ蒸し焼きする様にしてローストするのがポットローストです。


先月私の誕生日に旦那がハワイ旅行をプレゼントしてくれました。その旅行中に読もうと数冊本を買ったのですが、その内の1冊がこの林望著『イギリスはおいしい』でした。

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この本、私の様にイギリスで暮らした経験のある人なら、読み出したら止まらないほど面白い本です!


私ら在英経験者がみな、イギリスを知らない人達に教えて上げたいと思っていることを、リンボウ先生が1つ残らず全て文字にして下さったそんな内容の本です。うんうん、うんうんと頷けて笑いに堪えない一冊です。


この本の中には、男性ながらお料理が大好きとおっしゃるリンボウ先生が、在英時代に習得されたレシピが3つ掲載されています。2つはスコーンの作り方。そしてもう1つはローストチキンの作り方です。


リンボウ先生が料理の師と仰ぐ、アイルランド人の音楽家から伝授されたローストチキンのレシピ。私はそのレシピを読んでいて、是非とも一度試してみたいと思いました。


今年春にメルボルンでオーブン調理も出来る深鍋を買ってから、作りたいと思いつつ今日まで実行していなかったポットロースト。今晩私は初めてそれを実行に移しました。そして私が参考にしたのが、リンボウ先生のお師匠さんのレシピです。


一卵性双生児が買って来てくれた丸鶏をまず綺麗に洗い、キッチンタオルで水分を完全に拭き取ったら、お腹の中と外側にこしょうのみしました。その丸鶏を背を下にして小たまねぎと供にバターを塗った深鍋に入れました。

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丸鶏のお腹から足にかけてベーコンを載せました。これは鶏が焦げるのを防ぐのと、鶏にベーコンの風味をつけるためだそうです。鶏のお腹に1かけ、鶏の各サイドに1かけずつバターを載せ、深鍋の蓋をし180度で予熱を済ませたオーブンで1時間焼きました。

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丸鶏を焼いているうちにグレービーの下準備。鍋にバターを熱し、マッシュルームを炒めました。塩少々を加え、写真の様に鍋底に水分が湧いて来るまで炒めました。このマッシュルームの水分が、どうやらこのポットローストを美味しくするコツらしいです!

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300mlの熱湯に顆粒鶏ガラスープをとかしたストックをマッシュルームに加え、丸鶏が焼き上がるのを待ちました。


1時間が経過。丸鶏が下の写真の様に50%焼けました。ここでベーコンを全て取り除き、マッシュルームの入ったスープストックを深鍋に加えました。


ローレル2枚とドライオレガノを少々も加えて、ここからは蓋をせずもう1時間オーブンで焼きました。

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途中10分おきに深鍋をオーブンから取り出し、鍋底にたまったスープを丸鶏全体にかけました。


取り上げたベーコンはキッチンタオルで脂を拭き取り、後ほどグレービーに使える様に細かく刻んでおきました。

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調理をスタートしてから2時間かかってやっと焼き上がった丸鶏!ここで鶏は深鍋から取り出して、足、手羽、胸などに解体しました。私は火傷したくないから、これは旦那に任せました!(笑)

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深鍋の底にたまったスープはリードクッキングペーパーでこし、余分な脂肪分を取り除き、汚れのないクリアーなグレービーにしました。


オーブン用の皿に解体した鶏を並べ、小たまねぎ、マッシュルーム、ベーコンを載せ、最後にグレービーをかけて再び180度のオーブンで10分程度焼きました。

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そして出来上がったのがこれです!本によるとこれを食した時、リンボウ先生はイギリスに来てから初めて食べた旨いものだと思ったそうです。

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本ではチキンの付け合せにオーブンで調理するピラフを紹介しています。しかし日本のオーブンは海外のものに比べ小さく、子供の玩具・ママーレンジほどのサイズしかないので同時調理はちょっときつい。そこで私はワイルドライスをシンプルに炊いた物を添えました。


是非作ってみたいから詳しい分量が知りたい、そう思われる方はこの本を買って読んでみて!レシピだけじゃなく面白いことが満載ですから。


ただ、リンボウ先生には申し訳ないけれど、レシピ本ではない為に説明不足なとこが幾つかあります。私の様に毎週1度は肉の塊を焼いている者はそれでも応用が利くけれど、まったく初めての人にはちょっと分かり難いかもしれません。


そこでその分かり難い部分を、おせっかいながら私が補足しておきませう!(笑)


本には焼き時間は記されていますが、それは鶏肉の目方に応じたものではなく、一見、サイズに拘らずその時間だけ焼けば出来上がる様に勘違いしてしまいます。


丸鶏の焼き時間は、ポットロースト、通常のローストに拘らず、約450gにつき20分と計算すると良いでしょう。今晩私が焼いた丸鶏は2.6キロ。約2時間焼きました。算出された焼き時間の前半半分は蓋をし、残りの半分は蓋を取って焼きます。


今晩私はベーコンを使いました。これは一卵性双生児が大量にコストコでベーコンを買って来てくれて、使わないといけない状態にあったからです。(笑)


しかし、このポットローストの為にわざわざベーコンを購入するのであれば、日本のやたらスモーク風味の強い不味いベーコンは使わず、豚バラ肉を代わりに使うのがベターです。


リンボウ先生の本に登場するアンスモークトベーコンとは、日本ではベーコンよりも豚バラ肉に限りなく近いものです。


マジョラムとローレルを使うとあります。でも田舎住まいの私は、近所のスーパーでマジョラムなんてハイカラなものは売っていなかったので、ドライオレガノを代用しました。マジョラムとオレガノはとても似たハーブなので代用でOKです。


ルクルーゼなる高価な鍋が日本でも最近普及しています。私も欲しいとは思うけれど、我家の家計では半分ネームバリューと思われる鍋にそこまでお金が出せません!


でも持っていらっしゃる方(実に羨ますい!)、それを活用して是非作ってみて下さい。味は確かに旨いです!イギリス人の義母も旦那も旨いと絶賛しておりやした。


最後に1つだけ、オーブンで使える深鍋を持っていない方は、前半クッキングフォイルでチキンをしっかり包んで焼き、その後フォイルと肉汁を取り除いて残りの時間を焼けば、ポットローストと同じ効果でチキンが焼けますので、わざわざ鍋を買いに走ることはなかと!

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