私は小さい頃から美術や造形に興味があり、これまでそれらの沢山の魅力に触れてきました。

小中学生の頃は美術の教科書が密かなバイブル。
著名な画家たちの名画を見ては、描写の手法を覚えて取り入れることがとても楽しかったです。

建築学を専攻していた頃は、年間ほぼ毎日絵を描いていました。
課題などで描く機会が多かったということもありますが、上達させたくて鍛錬の意味で意識的に描いていましたね。

そして特にこの頃は、現代アート、古典美術、建物、パブリックアート、プロダクトデザインなど、日々様々なアートに触れていて、そんなアート漬けの毎日が私の感性を大きく刺激してくれた時期でもありました。

当時特に影響を受けたのは、ルイス・バラガン。
メキシコ人の現代建築家です。
大胆でカラフルな色使いは私の今のデコレーションにもその影響の名残りがあるように思います。

このようにアートと仲良くしていて思うことは、万物のカラーやフォルムを素通りで見るのではなく、しっかりとフィルターを通して感じながら見ることが大切であるということ。
そうすることで、自分の中に感性としてインプットされるように思います。

また私は、色と色をコーディネートすることがとても好きです。
色彩論は学生時代に学びましたが、私は色を合わせる時に特にその理屈は頭の中に無く、色が合う”感覚”で決めています。
ですが、その感覚を色彩論に照らし合わせてみると同じ結果になるので、感覚と色彩論はイコールになっています。

生徒さんとのお話の中で、色の合わせ方が難しいと仰る方が少なくはありません。
合わせ方において感覚的なものは習って備わるものではないと思いますが、その感覚がないからと言って諦める必要は全く無いのです。
身に付ける方法は存在します。

絵を描くことについても同じです。
理屈と方法を習得して鍛錬することで、ある部分までは力を伸ばすことが出来ます。

デコレーションのみを楽しんでいただく1day Lessonではなかなかお伝えできませんが、掘り下げた内容のレッスンでは、デコレーション技術のみならず、美術や造形学的な観点でのお話も取り入れながら、皆さまの潜在する素晴らしい個性と能力を引き出すお手伝いが出来ればと思っています。