6月9日土曜日の夜は、吉祥寺のCaféキチムに、トイピアノ・カルテット toi toy toi の初ライブを聴きに行ってきました。ここに来るのは3月にjaponaiserie+Wakkaのライブで訪れて以来になります。
店頭販売のチケットで優先入場とのことでしたので、あらかじめ時間のあるときに寄って購入しておきました(チケットの人は6人だったそうです。意外と少なかったんですね)。
toi toy toiは伊藤真澄さん、コトリンゴさん、Babiさん、良原リエさんという個性的な4人の女性からなるカルテットで、昨年発売になったTVアニメ『アリスと蔵六』のエンディング曲のCDがデビュー盤になります。
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活動自体はもうすこし前から行なっており、そのあたりの経緯はCDリリース時のこちらのインタビューが詳しいです。
もともとBabiさんの音楽(ライブの記事をいくつか書いています。2016/11/12, 2017/9/17, 2017/11/16 とにかく一発KOされるくらいど真ん中な音です!)から入った私は、前回のここでのライブで伊藤真澄さん(Wakkaのメンバーとして出演)の音楽を知りました。アニメの劇伴なども多く手がけているベテランです。流れるようなメロディラインはとても耳障りが良いです。
良原リエさんは、DU BOOKSからの案内で、著書「トイ楽器の本」が気になっていたところに、Babiさんのinstagramでこの本の発売とリンクした展示とライブをやってるよ、との情報があったため、自由が丘のイベントスペースに出かけました。子どもたちでも楽しめるトイ楽器の展示とライブはとってもステキで、童心に帰りました。
コトリンゴさんは、坂本龍一さんとコラボした『新しい靴を買わなくちゃ』で引っかかりました。その後は熱心なリスナーではありませんでしたが、映画『この世界の片隅で』で引き戻されました。今回初めてライブを拝見します。
個人的にはとても注目度の高い、外せないイベントです。
チケットはsold out。広くはない会場は超満員で、客層も幅広い印象でした。
ステージはフロアの奥にセッティングされており、並べたテーブルの上には所狭しとトイ楽器(これは楽器なのだろうか?というものも含め)が並んでいました。トイピアノ🎹をはじめとする鍵盤楽器は段々重ねに置かれ、全体のごちゃっとした感じが良いですね。マイクの位置と楽器の配置で4人のポジションの見当がつきます(実際はあちこち移動していましたが)。
開演時間になりメンバーが登場。衣装は赤色系で統一されており、明るい印象。
伊藤真澄さんのツイートにセットリストのさわりの部分が載っており、ふむふむと思いながら楽器の割り振りなどをあらかじめチェック。
ライブは2017年放映のTVアニメ『「小林さんちのメイドラゴン」のテーマ』でスタート。真澄さんがアニメーション関係の仕事を多く手がけているため、その筋から取ってきた仕事で、レコーディングにtoi toy toiも参加しているとのこと。
続く『果実のマリア』も真澄さんの曲。トーンチャイムが効果的な、アンビエント感漂う曲。吉松隆さんの室内楽のような印象でしたが、10倍くらい遅くするとモートン・フェルドマンになるかも^ ^
回転木馬調の可愛らしい『木馬のチロリアン』(真澄さんの曲ですかね?)のあとは、トイ楽器大活躍のにぎやかな『パンプキン ムーンシャイン』。映画「ターシャ・テューダー 静かな水の物語」のために書いた曲とのこと。そしておさるのシンバルがリードして始まる、少し物悲しい印象の『ジルコニア』は4台のトイピアノ用に書き下ろした作品。これらは良原リエさんの作品とのこと。
もともとトイ楽器マニアの良原リエさんはたくさんのコレクションを持っているのですが(前述の本参照)、これを真澄さんに紹介したところ彼女もハマり、旧知のコトリンゴさんや以前からトイピアノを弾いているBabiさんに声がかかったみたいです。
この日のトイピアノに関してリエさんの解説があり、ご自身のがアメリカのジェイマー、真澄さんのが同じくアメリカのシェンハット。コトリさんのはフランスでミッシェルソン、そしてBabiさんのが日本のKAWAI製。それぞれ音色や響きが違って、なるほどこれは奥が深いと思った次第です。
賑やかに運動会の定番『クシコスポスト』を演奏したあとは、Babiさんの曲を2曲。『木の実どろぼう』『タンバリンと踊り子』を演奏。木の実を収集しているというBabiさんの薀蓄を聞き、後者ではキーボードを弾きながら、ペダルを踏む足には靴用のタンバリンを付けての演奏(Babiさんのinstagram参照)。リエさんが「Babiさんの曲は難しいよね」とおっしゃっていましたが、とにかく和声が素直じゃなくて、調性的ですが独特な響きと旋律は、初期のショスタコーヴィチを彷彿とさせます。それでいて可愛らしい作品。みんなでヒュコヒュコとスライドホイッスルを吹いていたり、なかなかビジュアル的にも楽しかったです。
再び真澄さんの曲で『スノーダンス』。これは以前別の機会に書いた曲からの転用とのことでしたが、ハンドベルでやりたくてアレンジしたそうで、振るのではなく叩くハンドベルに目が点でした。
雪が舞い散る様子が音で描かれたステキな曲でした。
そのあとの曲はタイトルが聞き取れませんでしたが、鳥笛などトイ楽器が活躍する三拍子系のモデラート。続けて演奏された異国っぽい香りを漂わせた『不思議の国のアルパカ』は、タイトルから浮かぶ情景そのものという感じでした。これらも真澄さんの作品ですかね?
トイピアノ以外の楽器やおもちゃについて、再びリエさんの解説。探してもなかなか見つからなかった前述のおさるのシンバルや赤ちゃんの起き上がりこぼしのエピソード、前述のトーンチャイムやクラビノーバのメーカーである鈴木楽器の話などなど。
続いては『「フリップ・フラッパーズ」のテーマ』。こちらもアニメの劇伴で、真澄さんのユニットのTO-MASが音楽を担当。toi toy toiのデビュー作にあたり、トイピアノを4台並べて録音したとのこと。「別に1台でもよかったのだけれど、(4台で)やってみたかった」のだそうです。これも楽しい曲です。
そうこうしているうちに最後の曲に。唯一のtoi toy toi名義のディスク、アニメ「アリスと蔵六」のエンディングテーマ『Chant』。これはコトリンゴさんの作品で、「ちゃんと〜する」の「ちゃんと」とチャント(歌)を掛けているタイトル(たぶん)。ヴォーカルもコトリさんです。不思議な歌詞と呪文のようなコーラスが印象的。呪文の部分をフロアも一緒に!との無茶振り。真澄さん曰く、「シューマイとオブラディオブラダと覚えれば大丈夫」と。いえいえ、ちょっと違うと思いますが(^_^;)
結局、正確にはなんと言っているのかわかりませんでした。そういえば本当はここは皆で練習してから歌う予定で、コトリさんが紙に大きく書いてくるはずだったそうですが、すっかり忘れてきたとのこと(^_^;)そんなコトリさんですが、「今日はみんなが喋ってくれるので、私のんびりでいられます」とふわふわした感じでした。こういうキャラだったのですね。
素晴らしい演奏とコーラスワーク(これがまた絶品!)。そしてみんなが知っている曲ということもあり、ひときわ盛り上がって予定のプログラムは終了となりましたが、もちろんこれで終わるわけはないですよね。
満場の拍手の中、アンコールは同じCDに収録されている「アリスと蔵六」の挿入歌『あいのかたち』でした。これはコトリさんの詩にBabiさんが作・編曲した作品で、メインヴォーカルもBabiさん。
彼女の作品としては、クセ少なめだと思います。これもかわいい曲です。
正味時間は決して長くはなかったですが、とても充実感のあるライブでした。
トイ楽器のアンサンブルでここまで聴かせてくれるのは、やはり4人の素晴らしいパフォーマンスに依るものだと思います。
アニメ関係の作品とクシコスポスト以外は未発表の新曲というわけで、準備も大変だったのではないでしょうか?
しかし、そんなことは微塵も感じさせない、楽しい!という言葉がいちばんピッタリくる、素敵な時間でした。みんな笑顔でしたね^ ^今後の活動がますます楽しみです。
終演後は物販で。
4人とも快くサインをしてくださり、ありがとうございました。写真も。
1. 『小林さんちのメイドラゴン』のテーマ
2. 果実のマリア
3. 木馬のチロリアン
4. パンプキン ムーンシャイン
5. ジルコニア
6. クシコスポスト
7. 木の実どろぼう
8. タンバリンと踊り子
9. スノーダンス
10. 曲名、聞き取れませんでした💦
11. 不思議の国のアルパカ
12. 『フリップ・フラッパーズ』のテーマ
13. Chant
Enc. あいのかたち
聞き取ったものなので、表記などは違うかもしれません。
写真のいくつかははネット上からお借りしています🙇
追記(2018/7/20)
ライターの方がライブレポートを書かれているのでリンクを貼っておきます。
正確なセットリストも付いてます。














