強烈かつ戦慄の作品!『やなぎみわ展 神話機械』@高松市美術館 | cookieの雑記帳

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興味を持ったことなどを徒然なるままに書き留めていきます。半分は備忘録。音楽(classicからpopsまでなんでも)、美術(絵画、漫画、現代美術なんでも)、文学(主に近現代)、映画(洋画も邦画も)、旅や地理・歴史(戦国以外)も好き。「趣味趣味な人生」がモットーです。

高松明日香さんに「高松市美術館でやなぎみわ展、やってますよ」と案内をいただいたので、いったん宿にチェックインしたあと、観に行ってきました。今回のホテルはどちらの会場にも徒歩圏内なので、とても好都合でした。



10年ぶりの個展というやなぎみわさん。
はじめ、やなぎみわさんと聞いて、名前に聞き覚えはあるけれど、記憶の引き出しがすぐには開かず、どんなアーティストだったかしら?と考えていたら、トレーラーで移動しながら行う野外演劇で、中上健次さんの『日輪の翼』をやっていた人だ!と思い至りました。こんなところで結びつくとは思いませんでした。
俄然興味を惹かれ、足を運びました。徒歩5分くらいで到着。夕方ということもあり、ギャラリーはほとんどいませんでした。土曜日なので7時まで開館です。




まずは写真家としての作品から。
1990年代後半から近作までを、おおよそ年代順に展示してあります。
やなぎみわさんの出世作と言われる『エレベーター・ガール』シリーズは、なんとなくアラーキーを彷彿とさせるような作り込まれた画面のおもしろさ。


続いての『マイ・グランドマザーズ』シリーズ。かなりとんがったお婆ちゃんたちをモチーフにした、勢いのある作品群でした。




不思議なモノクロ作品が並ぶ『フェアリーテール』シリーズ。



そして闇の中に浮かび上がる桃の木を切り取ったシリーズ『女神と男神が桃の木の下で別れる』は比較的近年に制作された作品です。


別室では映像作品『グロリア&レオン』、『ララバイ』の上映も行われていました。

第2会場に移動。
やなぎみわさんといえば、最近は演劇の世界でも独特な立ち位置で活動されていますが、私が最初に引っかかったのが、中上健次さんの原作による舞台『日輪の翼』です。特注のステージ・トレーラーで各地を巡回する野外劇で、癖のある中上氏の路地の文学を演出しました。

そして展覧会のタイトル名もなっている、マシンによる神話世界である『神話機械』
の展示となります。


とても個性的な、ジャンル横断的活動を上手くまとめた展示だと思います。
自分が知っていたやなぎみわさんとは別のフィールドでの作品に触れることができ、有意義でした。

この展覧会はまだ巡回中で、現在は神奈川県民ホールギャラリーで開催されており、12月10日からは最後の会場である静岡県立美術館に移動します。