今年86歳になるフランスを代表する音楽家、ミシェル・ルグランが7月に来日し、トリオでのライブを行うことが発表になりました。すでにチケット予約も始まっています(7/6-9, Blue Note TOKYO, 1日2公演の計8公演と名古屋公演)。
この来日を記念して月刊てりとりぃとESPACE BIBLIOの共同企画で、『ミシェル・ルグランの軌跡』と題した講座が、4月21日に開催されました。
その第1回はライブ編として、ルグランから提供されたという秘蔵映像を、日本におけるルグラン関係の第一人者である濱田高志さんの解説と合わせて鑑賞するという好企画。
ちょうど開場時間くらいに到着。10人くらいの方がすでに並んでいました。
ESPACE BIBLIOでのルグランのイベントは、昨年も『ロシュフォールの恋人たち』の50周年を記念して行われました(以前のブログ参照)。
会場のスクリーンにはハンブルク・バレエで初演されたルグランの『リリオム』の映像が流されていました。
来日公演も観れなかったので、初見でした。気持ちとしてはずっと観ていたい感じでしたが(^_^;)
時間になり、解説の濱田さんが登壇。初めに来日公演の概要のお話。
公演の会場となるBlue Note TOKYOからとりあえずのフライヤーができてきたとのことで、皆に配布されました。
5年ぶりの来日であること、一昨年の映画『ラ・ラ・ランド』効果もあって、チケットは早く無くなるのではとの濱田さんの予想でした。幸い自分は優先予約初日にチケットを確保できました。
これとは別に、前回のトークショーにも出演された谷川賢作さんらによるライブの案内もありました。1月の白河での映画の上映会とのコラボでも一緒に演奏したヴァイオリンの吉田篤貴さんに木管と打楽器も加わり、グレードアップした編成でのオール・ルグラン・プログラムになります。興味深いですね。
さて、本日のプログラムはライブ編とのことで、前述したようにルグランから提供された映像を中心に見ていこうというものでした。まずはルグランが22歳頃にアメリカのTVのために収録された、モーリス・シュヴァリエが司会を務める番組。1888年生まれのシュヴァリエは、1932年生まれのルグランからみれば父親より少し上くらいの世代にあたります。フランスとアメリカを股にかけたこの大スターは、若きルグランを大変評価していたとのことです。
当時はまだイージーリスニングの作品などの編曲を手がけるなど、本格デビュー前の本当にキャリアの初期にあたり、アメリカで紹介されたことは、本人にとって大きなステップになったのだと思われます。
溌剌とした若きルグランの弾き振りの姿が印象的でした。
続いてはルグランのドキュメンタリー番組。これまでに何度も作成され、そのどれもがルグランの気に入らずお蔵入りになっているとのことですが、その中からイギリスで制作されたものを上映。完成作ではないために画面にカウンターが入っていたり、本来入るべき写真などが抜けていたりしましたが、約1時間15分くらいの全編を。もちろん字幕などもないため、内容は聞き取れないところも多々ありでしたが、なるほど、ルグランが納得しないというのもわかる気がしました。
ところどころ本人も出演していますが、同じブーランジェ門下の盟友クインシー・ジョーンズや映画監督のアラン・バーグマンなど、おおよそ周辺の人々によるインタビューなどから構成されています。
もっと自分の出番を増やせ〜、と言ったというミシェルの気持ちがわかる映像でした。
そのあとはミシェルの自宅から発掘された音源や、ブラジルでのライブ音源などをかけて、約2時間のイベントは終了となりました。貴重な映像と音楽。たいへん堪能できました。
第2回はミシェルの帰国後にやりたいとのことでした。
濱田さんのお話によると、働きすぎたミシェルは体調を崩して、昨年のパリでの公演やナタリー・デセイとのコンサートをキャンセルしたり、今年になってからのニューヨーク公演も見送ったりしたとのことでした。今後も『ロバと王女』のバレエ化や新作のオペラなど、仕事の予定が立て込んでいて、マネージメントを行なっているイギリスのプロダクションは、海外公演はやめにしたい意向なのだとか。年齢を考えると致し方ないとは思います。
ルグラン自身は作曲活動と演奏活動の両輪がないとバランスが取れないそうなので、国内でのライブなどは引き続き行われるだろうけどとのことでした。
ルグランは日本贔屓なので、本人も今回の来日を楽しみにしているため、キャンセルにはならないと思うけど、と濱田さん。ただ年齢による体力的な衰えを考えると、最後の来日になる可能性が高いかな、と。
公演が中止にならないことを祈って。
写真の多くはSNSなどから引用しています🙇










