その男、岸田森 | cookieの雑記帳

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興味を持ったことなどを徒然なるままに書き留めていきます。半分は備忘録。音楽(classicからpopsまでなんでも)、美術(絵画、漫画、現代美術なんでも)、文学(主に近現代)、映画(洋画も邦画も)、旅や地理・歴史(戦国以外)も好き。「趣味趣味な人生」がモットーです。

一度見たら決して忘れない、独特な雰囲気のニヒルな顔だち。そして、印象に残る役柄。
昭和の後半を駆け抜け、わずか43歳でこの世を去った個性派俳優・岸田森(きしだ しん)さん。
戯曲家の岸田國士さんの甥っ子にあたり、その娘さんたちである女優の岸田今日子さん、童話作家の岸田衿子さんたちとはいとこ関係にあたります。
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そんな岸田森さんの全活動を振り返る、素晴らしい本『岸田森 夭逝の天才俳優・全記録』が洋泉社から出版されました。
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この本の元になったのは1999年に自費出版された『岸田森全仕事』で、リンクのホームページで新しい情報に更新されてきましたが、最終形態が今回の新刊になります。
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その他には岸田森さんに関する纏まった本はワイズ出版の『不死蝶』くらいしかなく、現在は増補改訂版が文庫サイズで読めます。
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岸田森さんの出演作を観たことがないという方は、どの作品でもよいですので一度観ていただければ、その圧倒的な存在感に目を奪われることでしょう。円谷プロがらみの作品や岡本喜八監督作品などが取っ掛かりやすいかもしれません。
私は代表作の1つである『怪奇大作戦』から入りました。
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現代物も時代劇も、幅広いジャンルで活躍されましたが、暗く寡黙な役柄が多く、「ワンシーンで映画を変えてしまうような役者になりたい」と言っていた御本人の言葉通り、まさに主役を食ってしまいかねない俳優さんでした。
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その演技力は前述の岡本監督をはじめ、実相寺昭雄監督など多くの方々から評価されていました。
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プライベートでは子どもの頃からの蝶マニアで、海外遠征もされていたようです。


また早逝した天知茂さんと並び和製ドラキュラの異名を持っていました。
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身長が高い印象がありましたが、公式には169cmとのことで現代ではどちらかというと小柄な方ですね。

今年は没後35年、今回の出版物を契機に注目する方が増えるといいなと思います。