(もうこんな話は、不要なのかもしれない。)
アラカンがまだ十代で、感受性も
多感な頃、受験勉強やら恋愛やらで
心身ともおかしくなっていた。
いよいよ受験という頃に、
ずっと仲良くしていた人がいた。
同級生のI君だ。
向こうは、どう思っていたかわからないが、
アラカンは、I君のことを頭はいいし、
生活ぶりとかも羨ましく思っていた。
I君の家には、自分の部屋があり、
その2階にもトイレがあるという、
アラカンからしてみれば、めっちゃ
近代的は家だった。
ステレオやら、テープデッキもあった。
もちろん寝る時は、ベッドだ。
(当然、アラカンは布団です。今も布団です。)
ほんと、羨ましいかぎりの部屋だった。
高校での大きな試験が終わるたびに、
息抜きがてら彼の部屋に寄っては、
ぺちゃくちゃおしゃべりやらをしていた。
時には、仲間を集めて麻雀もよくやった。
彼は、お酒も強く、ウイスキーをストレートで
飲めるほどだった。
彼は、心底優しい人で、
人望も厚く、誰からも好かれる好青年だった。
そんなある日、彼の部屋で酒盛りが始まった。
彼には2人の妹がいて、その一人は我々よりも
1つ下の女性だった。
その妹も酒盛りに加わり、場は大いに
盛り上がった。
アラカンはアラカンで、初めてのご対面で、
なんだかざわつき感を覚えた。
嫌なざわつき。
話も盛り上がったが、
ひょんなことから、彼の妹とちょい
付き合うことになってしまったのだ。
付き合うといっても、その昔の話なので、
電話やら、喫茶店でのデートくらいではあるが。
そんな話が、I君の耳にも当然入り、
彼から、「どうするの?」。
「妹を取るか、俺をとるか?」
アラカンは、返答に困った。
この時ばかりは、「両方はない」と思った。
そして、この時の心理状態のおかしさから、
その時の流れのまま、彼女の方に傾いて
しまったのだ。
今思えば、正しい方向はすぐわかるのだが、
若さゆえか、残念な結果になってしまった。
もう、やり直しは効かなかった。
素敵な彼は、遠くに行ってしまった。
アラカンは、また人生の暗闇の渦に
巻き込まれて行ってしまった。