アラカンの生まれてから住んでいた家は、
木造の小さな家で、そこに家族6人が住んでいた。
両親、子供3人に祖母の6人。
風呂もついていなく子供ながらに不自由していた。

親父の仕事が定着してきたからだろうか、
それとも、子供たちの心情を慮って(おもんばかって)
のことだろうか。
ついに、この古い木造住宅を増改築することになった。
それは、アラカンが中学3年生、昭和47年の春のことだった。
増築部分には念願のお風呂がつくということで、
子供ながらにワクワクしていた。
これで面倒な銭湯通いがなくなると思うと、
ほんと嬉しくなった。

でもね、こんなこと言っちゃあなんだけど、
風呂だけ付いて、トイレの方はそのままだったのだ。
古い家の部分は、玄関と6畳の部屋とかを取り壊し、
新たに玄関の場所を変えて、風呂場と応接間
(今で言うところのリビング)、2階に8畳と6畳の部屋を
作ったのだった。
アラカン的には、非常に中途半端な増改築だったと思ったが、
その当時としては、やむ得ない措置だったかもしれない。
というのも、年老いた祖母を抱えて、
全部を作り替えるというのは、相当なエネルギーを要するのだ。
全部引っ越して、また半年後にまた同じように引っ越しなんて、
ゾッとしますもんね。
半分だけの増改築なら、今までの生活基盤を維持しながら、
窮屈ではあるが、今まで通りの生活ができるもんね。

家を増改築しても、相変わらずの洗面所なしの家だった。
アラカンは、風呂場の水で顔を洗い、歯を磨いた。
こんな家、あります?
昔の人は、洗面(所)なんて気にしなかったのね。
ちゃんちゃん。