税務署の超短期アルバイトを終えたアラカンは、
変な達成感を襲われていて、しばし、ぼんやりしていた。

が、そんな気分も秋口には、モヤモヤしてきた。

その時に、どういう流れか因果か分からないが、
自宅のポストに「アルバイトやってみませんか」的な
チラシが投函されていた。

年齢不問、勤務時間は10時から2時までとかの記載だった。
某小規模チェーン店である蕎麦屋さんの
アルバイト募集だった。

そこでアラカンは、「おおお、これなかなかいいじゃん。」
なんて思ってしまった。

実際、アラカンは以前のアルバイト変遷(その4。老舗お餅屋さん)
でも語ったように、お運び屋さん=ウエイター的な仕事を
学生時代に丸2年間も経験していて、少なからず妙な自信あった。

「いっちょう、やったろうか」「ダメもとで、面接でもいったろか」
の類いで、面接に行ったら、これまた即採用で、
来週から来て下さいなんて言われた。

勤務時間は、朝の10時からお昼2時までの短時間勤務。
クッキーの朝散歩、夕方散歩も、この時間帯での勤務なら
何ら問題なかった。
勤務時間帯は、全く問題なかった。

学生時代でもアルバイトは、皆がみんなフレンドリーで、
自分に対して気を使ってくれていた。
でも、今回の蕎麦屋さんのアルバイトではそうはいかなかった。
ブラック的な雰囲気がプンプン匂った。

あれやってこれやって。
11時半までの開店までに、ここまで済ませてね。
入って早々、覚えることばかり。
そのくせ、手順書なるものは一切ないし。
2、3日仕事を経験しただけなのに、
ついには、「昨日の売上金を近くの銀行へ入金してきて」とまで
言われたのには驚いた。

加えて、その店にいた古狸的なおばさんの態度には、
我慢できず、もうやめたろ、ってなって。
ついに勤務2週間足らずで、せっかくアラカンの足のサイズに
ぴったりの長靴まで用意してくれたのに、
そのアルバイトを辞める羽目になった。

そのお店は、ファーストフード的なお店で、
なんでもテキパキ、さっさと蕎麦を提供するお店ではあるが、
お店全体に余裕が感じられないんだよね。
どんなに忙しくても難なく仕事をこなしていく「余裕」ですよ。
余裕、心のゆとりが必要で、大事なんだよね。

すべては店長次第という事は言えるかもしれないが、
店長もアラカンから見れば、若々で物足りなかったかもしれない。

その後アラカンは、1ヶ月後位に別のアルバイトへ移っていくので
あったが、その店の店長からアラカンの携帯に電話があり、
「アラカンさん、まだ仕事していなかったら、
もう一度うちのお店でアルバイしませんか?
もうあの古狸のおばさんパートもいなくなったので」
なんて言われたが、丁重にお断り申し上げ