9月23日以来の「昔の会社のこと」になる。
今回は、アラカンが入社して4、5年が
経過した頃のお話となる。
まずはこの頃に、「マルチプラン」という表計算ソフトが
東京本社経理の人から紹介された。
パソコンの画面に式を入力すると、
その通りに計算してくれるというものだ。
行数はわずか216行しかなかったが、
それでもこの表計算ソフトはアラカンにしてみれば、
画期的なものだった。
今まで計算機を叩いて種々の計算結果を
鉛筆書きで書いていたものが、
元となる数値、例えばマシンアワー(機械稼働時間、
マンアワー(人工数)、生産数量等を入力すれば、
一時間当たりの生産数量とか、一時間あたりの費用とかが
瞬時に計算できてしまうのだ。
いったい今までの計算機を叩いていた作業は、
何だったのだろうか?と思うくらい愕然とした。
今まで2、3日かかっていた工場の生産活動資料は、
その表計算ソフトによって大いに短縮された。
そうね、2、3日かかっていたものが、
半日位で終わってしまう感じだ。
その後「マルチプラン」にとって変わったのが、
「ロータス1・2・3」だ。
この表計算ソフトは、行数桁数共にマルチプランを
大きく上回るほどあり、助かった。
しかも「マクロ」実行も容易で、
複雑な計算式も、前もってプログラミング(=マクロ)
しておけば、簡単に計算結果が算出できてしまう。
このあたりの計算式は、香港にある経理統括部署に、
この手のものに詳しい担当者がいて、
よく複雑なマクロ計算式を組み込んできて、
ここに数値を入れて、実行してください、みたいなものを
香港からメールで送ってきたりもした。
アラカンたちも、それらのマクロを自分たち用に改良したりして、
月次決算書作成とかに応用していた。
そんな頃が、アラカンは一番ワクワクドキドキして
楽しかったようにも思った。
その後さらに変化が起こった。
経理の担当者が、香港の国際会議に出席した帰りに、
お土産代わりに「エクセル」を持って帰ったきたのだった。
これには、アラカンも驚いたし、相当とまどった。
というのも、今まで使っていたロータス123で
かなり間に合ったいたので、さらにグレードアップしたような
エクセルなんて必要に感じなかったのだ。
結局、アラカンが昔の会社にいた時代では、
そんなにエクセルは浸透していなかったように思う。
そんな風にして、
アラカンの29才から34才くらいは、
こういった表計算ソフトの導入で、計算を叩いて計算結果を
求める事はほとんどなくなり、大きな作業短縮に繋がっていった。
また、海外からの役員用の資料作成も、
大きな変革を迎えた頃だった。