胃4分の3切除の話は、前回から書いている。
悪いところを切り取ったわけだから、
すっきりすると思ったが、そう簡単ではなかった。
お腹に力が入らないことは、すでに書いた。
食べる方はどうかと言うと、
食べる事はできるはできる。
だが、以前と違いたくさんは食べれない。
少しずつなら、時間を経て少しずつなら
食べるようになった。
それもそのはず、だって胃が小さくなっているもんね。
加えて、空腹感満腹感がなくなってしまった。
時々空腹感は、ある時はあるのだが、
もう満腹感はない。
以前のような幸せに包まれたような満腹感はもうない。
この満腹感を失ったのは相当な誤算だった。
悲しい。
切除してすぐの時は、
食べ物が胃にあまり留まらずに、
直接腸へ流れるもんだから、
「ダンピング症候群」という症状にも
悩まされた。
しかし、悪いことばかりではない。
いいこともある。
それは、それまで長きに渡ってタバコを吸っていたが、
しかも1日に1箱(20本)は吸っていたが、
そのタバコを止めることができたのだ。
それまで幾度となく、禁煙を試みたこともあったが、
幾度となく失敗に終わっていたのだ。
それが、その病気によって一瞬にタバコを止めることが
できたのだ。
タバコを吸うことで胸が痛くなり、しんどい時もあったが、
習慣で吸い続けていたような時もあったのだ。
よかったよかった。
失うものもあれば、得るものもある。
それが人生かも知れん。